日本TIが茨城県美浦工場の初期生産を4月中旬から再開:ビジネスニュース 震災復興
会津工場は電力の安定供給を受け、すでに初期生産を再開した。2011年4月中旬には全面稼働を予定する。美浦工場は現在、生産装置の90%の通電を確認済みであり、4月中旬には初期生産を開始する予定だ。その後、7月中旬に全面稼働、9月には出荷を開始する。
日本テキサス・インスツルメンツは2011年3月30日、同社の会津工場(福島県会津若松市)と美浦工場(茨城県稲敷郡美浦村)の復旧、生産状況について発表した(図1)。会津工場は電力の安定供給を受け、すでに初期生産を再開した。2011年4月中旬には全面稼働を予定する。
美浦工場は、3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震によって、建屋の一部が損傷したものの、構造には問題が生じなかった。内陸部に位置するため津波の被害もなかった。生産に必要な水やガス、化学薬品の他、空調などのインフラが破損したが、すでに3月27日に補修工事を完了した。クリーンルームには異常がなく、処理中ウエハの40%を回復できるという。
図1 日本テキサス・インスツルメンツの美浦工場(上)と会津工場(下) 美浦工場は4月中旬から初期生産を再開する。会津工場は初期生産を再開済みであり、4月中旬には全面稼働する予定だ。出典:日本テキサス・インスツルメンツ
美浦工場は現在、生産装置の90%の通電を確認済みであり、4月中旬には初期生産を開始する予定だ。その後、7月中旬に全面稼働、9月には出荷を開始する。美浦工場が停止する期間、同工場のウエハ生産量の80%を海外にある3つの製造拠点、米テキサス州ダラスとリチャードソン、ドイツバイエルン州フライジンクで代替できることを確認済みである。
美浦工場は、テキサス・インスツルメンツの全世界生産量の約10%(金額ベース)を2010年度に生産した。生産額の1/3以上がプロジェクタなどに用いるDLP(Digital Light Processing)チップであり、残りが電源ICなどのアナログ半導体部品だ。
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