「システム設計にそのまま使える」、ADIが回路設計の支援サービスを強化:アナログ設計(1/2 ページ)
アンプICやコンバータICといったアナログICはとりわけ、周辺回路をうまく設計しなければ、ICの特性を引き出すことは難しい。アナログ・デバイセズの「Circuits from the Lab/実用回路集」の各種情報を活用すれば、アナログICの特性を引き出し、システム設計の開発期間を短縮できるという。
データシートやアプリケーションノート通りに回路を設計したが、記載されている通りの特性が得られない。このような、システム設計者の声に応えた――。アナログ・デバイセズ(ADI)は、システム設計者の機器開発を支援する「Circuits from the Lab/実用回路集」の情報を大幅に拡充した。
Circuits from the Lab/実用回路集は、「実際のシステム設計にそのまま使える回路を提供すること」をコンセプトにしたサービスである。具体的には、ICのデータシートやアプリケーションノートで提供してきた情報だけではなく、「USB回路の絶縁手法」といった特定の機能を実現する回路図や、特性データ、部品表、PCBレイアウトデータ(ガーバーデータ)、評価用ハードウェアを1つのセットとして提供する(図1)。回路にDSPが使われている場合は、デバイスドライバも用意する。
アナログ・デバイセズが高い市場シェアを有するアンプICやコンバータICといったアナログICはとりわけ、周辺回路をうまく設計しなければ、特性を引き出すことは難しい。「Circuits from the Lab/実用回路集には、当社のノウハウが詰め込まれている。回路図やPCBレイアウトデータといった各種情報を使えば、当社が提示した通りのIC特性を引き出せるはずだ」(アナログ・デバイセズのコアマーケット統括部マーケティングマネージャーの高松創氏、図2)。
各種データは、Webサイトから無償で入手できる他、評価用ハードウェアは、アナログ・デバイセズの正規代理店を通して購入可能である。現在は、通信やプロセス制御、計測、モーター制御という分野を中心に実用回路例を提供している。例えば、ADコンバータのドライバ設計やD-Aコンバータの出力処理回路の設計、無線回路における高周波/中間周波数ブロックの設計、絶縁回路の設計などである。今後、情報の追加を積極的に続けるとともに、対象分野も広げる計画である。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.