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アナログIC最大手のTIがNational Semiconductorを買収へ、総額65億米ドルビジネスニュース 事業買収

 アナログIC最大手のTexas InstrumentsとNational Semiconductorは、TIがNational Semiconductorを買収することで正式に契約した。

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 アナログIC最大手のTexas Instruments(TI)とNational Semiconductor(ナショナル セミコンダクター)は、TIがNational Semiconductorを買収することで正式に契約したと発表した。買収金額は1株当たり25米ドル、総額65億米ドルで、全て現金による買収となる。

 今後、規制当局の承認を受けるなどの各種作業を進め、6カ月〜9カ月の後に最終合意に達する見込みである。最終合意後、事業を統合する作業に入り、National SemiconductorはTIのアナログ事業部門の1つになる。2010年において、TIの売上高全体に占めるアナログ製品の割合はおよそ43%。National Semiconductorを買収した後、この割合は、全体のほぼ50%に高まる。

 今回の買収によって、TIはアナログICの分野で市場シェアをさらに伸ばし、業界第2位のSTMicroelectronicsとの差を広げる(関連記事「TIがアナログ市場で首位の座を堅持、2010年の市場シェアは約15%」)。2010年における世界のアナログ半導体の市場規模は420億米ドルで、このうちTIは60億米ドルを占め、業界1位の市場シェア(14%)を有する。一方のNational Semiconductorの2010年の売り上げは16億米ドルで、市場シェアは3%だった。

TI、産業用電源を強化

 TIのChairman, President兼CEOのRich Templeton氏は、発表資料の中で、「今回の買収は、まさしく成長を確固たるものにするためのものだ」というコメントを寄せた。

 同資料によるとTIは3万品種に上るアナログ製品群と多くの顧客、業界初の300mmウエハーを使ったアナログIC製造拠点に代表される多くの生産拠点を有する。一方のNational Semiconductorは、1万2000品種に上るアナログ製品群や、産業用電源製品市場での強固たる立ち位置、顧客向けの優れた設計ツールがある。

 TIは、かねてより、幅広い用途に向けて、多様なアナログ製品群を有していることを強調していた(関連記事「アナログ事業統括Senior Vice PresidentのGregg Lowe氏へのインタビュー」)。同社の資料によれば、アンプICとD-AコンバータIC、パワーマネジメントICの製品分野において、いずれも第1位の市場シェアを有する。

 ただ、「まだ十分にカバーできていない製品分野があり、National Semiconductorの買収によって、その製品分野を強化することができる」(日本の広報担当者)という。例えば、産業機器向けの比較的高耐圧の電源製品やコンバータ製品を強化できる。また、National Semiconductorのオンライン設計ツールは顧客からの評価も高い。TIは、この設計ツールのノウハウも取得できる。

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