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光インタフェース搭載FPGAをアルテラが開発中、28Gbps超での銅線伝送置き換え狙うプログラマブルロジック 光ファイバー

FPGA大手ベンダーのアルテラは、光インタフェースを搭載するFPGAを開発中だと発表した。ネットワークインフラの帯域幅の急拡大に備え、通信機器内の高速データ伝送を銅線を使った電気通信から光ファイバを利用する光通信に置き換えることを視野に入れる。

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 FPGA大手ベンダーのアルテラは、光インタフェースを搭載するFPGAを開発中だと発表した。2011年中にサンプル品を公開する予定だという。エレクトロニクス関連企業の首脳陣が集う報道関係者向けイベント「Globalpress Electronics Summit 2011」(米国カリフォルニア州のサンタクルーズで2011年3月28日〜31日に開催)で発表した。

帯域幅の急拡大に備える

図1
図1 アルテラのBradley Howe氏 同社でシリコン製品の開発を統括する。

 この開発の背景には、今後、通信ネットワークに求められる帯域幅が爆発的に拡大するとの懸念がある。高品位の動画コンテンツをダウンロードしたりストリーミングで視聴したりするスタイルが一般化しつつあるからだ。そしてアルテラが供給するFPGAは、その通信ネットワークを支えるインフラ機器に広く使われている。「通信ネットワークのインフラにも家庭向け光データ回線(FTTH)にも、すでに光通信は普及している。しかし、そうした光伝送信号を扱う装置はどうだろうか。入出力こそ光インタフェース化されているが、装置の内部では電気で信号をやりとりしているのが現状だ」(同社でICエンジニアリング担当バイスプレジデントを務めるBradley Howe氏)(図1)。

 例えば、通信機器のラインカードに搭載されるFPGAは、内蔵の高速シリアルトランシーバ回路を介して、電気信号を使ってラインカード上のチップと通信したり、バックプレーン経由で接続する他のラインカード上のチップとデータをやりとりしたりしている。その伝送速度は、チャネル当たり10Gビット/秒超のオーダーに達する。さらにアルテラは、28nm世代のプロセス技術で製造する次世代FPGAに最大28Gビット/秒で動作する高速シリアルトランシーバ回路を集積すると発表しており、「それをさらに超える高速化にも取り組んでいく」(Howe氏)と表明している。

 そうなると問題になるのが、FPGAと他のチップをつなぐ配線である。データ伝送速度が高まるということは、信号の高周波成分が増加することを意味する。ところがプリント基板上に形成した銅配線を伝送する電気信号の損失は、周波数が高まるほど大きくなる。従ってデータ伝送速度が高まると、損失が増大し信号品位が低下してしまう。例えば、「10Gビット/秒から30Gビット/秒に高速化すると、単位長さ当たりの損失は3.5倍に増大する」(Howe氏)。高周波特性に優れた基板材料を採用すれば、損失を同等に抑えることも可能だが、そうすると「基板のコストが5倍に膨れ上がってしまう」(同氏)ため現実的ではない。高速シリアルトランシーバ回路にも、損失の影響を補償するためにプリエンファシスやDFE(Decision Feedback Equalization)といった機能を盛り込んでいるが、今後はそれだけでは対応し切れなくなるという。「現在のような銅配線を将来にわたって使い続けることは難しい。光インターコネクトに向かうのは自明だ」(Howe氏)。

標準の光コネクタでコスト優位性も確保

 アルテラが開発中の光インタフェース搭載FPGAは、FPGAのダイに光/電気変換回路を組み合わせて単一のパッケージにまとめたものだ(図2)。光/電気変換回路の電気信号入出力側とFPGAのダイに集積した高速シリアルインタフェースをパッケージ内でつなぎ、同回路の光信号入出力側はパッケージの側面に設けた光ファイバーコネクタ用スロットに接続する構成である。

図2
図2 アルテラが開発中の光インタフェース搭載FPGAのイメージ 光ファイバーコネクタは、MPO形などの標準的なものを採用するという。

 光ファイバーコネクタとしては、MPO(Multi Fiber Push-On)形など、光ファイバー付きコネクタとして標準的な形状を採用する考えだ。「MPOコネクタはコストを低く抑えられるように最適化されている。それでも、現時点ではまだ電気インタフェースに比べてコストが低くなるとはいえない。しかしこれは、ニワトリとタマゴの問題だ。アップルは、インテルが『Light Peak』と呼んで開発していた光対応インタフェース『Thunderbolt』を搭載するノートPCを2011年2月に発表した。消費者の机の上にまで光インタフェースがやって来ているのだ。近い将来、コストの観点でも光インタフェースは電気インタフェースより有利になるだろう」(Howe氏)。

 FPGAに搭載する光インタフェースの伝送可能距離については、アルテラは技術的には最大数百mを確保できるとしながらも、装置内配線(インターコネクト)用途では数mを想定していると述べている。対応するデータ伝送速度については明言していないが、「28Gビット/秒を超える領域では、銅配線による伝送が著しく困難になる。50Gビット/秒といったオーダーでは、銅配線を使えるかどうかまだ見えていない」(同社でコンポーネントプロダクトマーケティング担当のシニアディレクタを務めるLuanne Schirrmeister氏)との見解を示した。

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