Silicon Image、60GHz帯無線チップのSiBEAMを2500万米ドルで買収:ビジネスニュース 事業買収
高品位(HD)映像のインタフェース技術を手掛ける半導体ベンダーであるSilicon Imageは、60GHz帯に対応した無線チップを手掛けるSiBEAMを買収すると発表した。
高品位(HD)映像のインタフェース技術を手掛ける半導体ベンダーであるSilicon Imageは、60GHz帯に対応した無線チップを手掛けるSiBEAMを買収すると発表した。買収金額は2550万米ドルで、現金と株式で取引される。
SiBEAMは、米University of CaliforniaのBerkeley Wireless Research Centerのエンジニアや通信業界の専門家などが、2004年に設立したベンチャー企業だ。同社は、HD映像の非圧縮伝送のアプリケーションを対象に、Si(シリコン)材料のCMOS製造プロセスを採用した60GHz帯無線チップを開発してきた。
SiBEAMはこれまで、数回の投資ラウンドにおいて、New Enterprise Associates(NEA)やU.S. Venture Partners(USVP)、Foundation Capitalなどのベンチャーキャピタル企業から、総額約1億1400万米ドルの資金を調達した。また同社は、60GHz帯の無線通信規格を推進する業界団体「WirelessHD Consortium」の創設メンバーであるとともに、同様の業界団体である「Wireless Gigabit(WiGig)Alliance」の活動にも積極的に参加している。
Silicon Imageによると、2011年第2四半期中に、買収に伴う各種作業が完了する予定だという。同社のCEOであるCamillo Martino氏は、発表資料の中で、「今回、SiBEAMを買収することによって、映像接続ソリューションの業界リーダーになるという、当社の使命を強化することができる。また、60GHz帯を使ったSiBEAMの無線通信技術によって、高品質な無線通信を利用したHD映像/オーディオ向け製品を迅速に市場投入できるようになる。当社はこれまでに、DVIやHDMI、最新のMHL(Mobile High definition Link)といった高速インタフェース規格の策定に携わった数多くの実績を持つ。今後は、WirelessHD規格を業界の標準規格として推進していくとともに、無線/有線の両方のHD接続に対応した、従来の標準規格にとどまらない製品を提供していきたい」と述べている。
SiBEAMのPresident兼CEOを務めるJohn LeMoncheck氏は、同じ発表資料の中で、「民生機器やPC、携帯機器などを手掛ける機器メーカーは今後、映像/オーディオやデータの高速接続が可能な60GHz帯の無線通信技術への関心を高めていくだろう。今回の買収によって、SiBEAMの無線通信技術と、Silicon Imageが得意とする携帯機器や民生機器を対象とした高速の有線インタフェース技術との最高の組み合わせを実現できる」と述べている。
Silicon Imageは、WirelessHD ConsortiumとWiGig Allianceの活動に積極的に取り組み、60GHz帯を使った無線通信規格のさらなる発展に携わっていく予定だという。
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