Hynix Semiconductorの株式売却、2011年5月に実施へ:ビジネスニュース
2001年にいったん経営破綻に至ったHynix Semiconductorは、世界第2位のDRAMメーカーとして復活している。同社の債務は株式の形で残っており、今回売却されるのは、このときに由来する株式である。
世界第2位の大手DRAMメーカーであるHynix Semiconductorは、債権銀行グループによって債務を株式に転換する措置を2001年に受けている。これは同社が経営破綻したことによる救済措置だ。銀行グループは今回、保有する株式の15%を、早ければ2011年5月にも売却する予定だと発表した。
株式の売却額は、約3兆1千億ウォン(約29億米ドル)に相当するという。しかし一部の報道によれば、筆頭株主である韓国外換銀行(Korea Exchange Bank)は、同時に、新たに発行するHynix Semiconductorの株式売却も検討中だと述べたようだ。このため、潜在的な購入者に対して複数の選択肢が与えられることになる。なお、韓国外換銀行は、2001年にHynix Semiconductorの主要債権者から主要株主に変わっている。
Hynix Semiconductorの株主は長年にわたって持ち分を減らし、2009年には希薄化を実現しようと試みたが、入札に名乗りを上げたのは韓国のコングロマリットであるHyosungだけだった。Hyosungもその後、申し出を取り下げてしまった。
Hynix Semiconductorが経営困難に陥ったのは、2001年のアジア金融危機の直後だ。当時、米国のDRAMメーカーであるMicron TechnologyがHynix Semiconductorを買収するといううわさがあった。その一方で、海外の企業からは、Hynix Semiconductorは救済措置を受けるのではなく、廃業すべきではとの意見もあった。
アブダビが関与する可能性も
アブダビの政府系投資会社Advanced Technology Investment Company(ATIC)は2010年1月に、韓国半導体産業協会(KSIA:Korea Semiconductor Industry Association)との間で、半導体業界において協業の可能性を秘める分野を開拓していくことで合意し、覚書に署名している。ATICは、GLOBALFOUNDRIESの大株主である。ただしこの時、Hynix Semiconductorに対して多額の投資を行うかどうかについては議論されておらず、かといって、その可能性が否定されたわけでもなかった。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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