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全ての電球にIPアドレスを、「賢い照明」の実現に向けた半導体ソリューションをNXPが発表無線通信技術 HEMS

電球にIPベースの無線ネットワーク接続機能を組み込んで、外部からインターネット経由で制御するために必要な、半導体チップやソフトウェアをまとめて提供する。

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 「もし全ての電球にIP(Internet Protocol)アドレスを割り当てたら、インターネットに接続可能なあらゆる機器から全ての電球を監視、管理、制御できるようになる。スマートフォンやタブレット、PC、テレビなどを使い、電球ごとにオン/オフを切り替えたり調光したりすることで、省エネの実践と電気料金の節約が可能になる」

 オランダの半導体ベンダーであるNXP Semiconductorsは、このような「スマートランプ」の構想を掲げ、その実現に向けたソリューション「GreenChip」を発表した(図1)。電球にIPベースの無線ネットワーク接続機能を組み込んで、外部からインターネット経由で制御するために必要な、半導体チップやソフトウェアをまとめたソリューションである。蛍光灯用の「GreenChip iCFL」とLED照明用の「GreenChip iSSL」の2つのバージョンを用意しており、既にこのソリューションを適用した参照設計の提供を始めている(参考リンク:NXPのWebサイトに開設されたGreenChipの情報を集約したページ)。

図1
図1 「スマートランプ」のイメージ 家庭内で各部屋の照明をスマートフォンから個別に制御するといった利用シーンを想定する。出典:NXP Semiconductors

 GreenChipソリューションは、主に以下の4つの要素で構成する。1つ目は、スマートランプの駆動用チップセット。蛍光灯用の「GreenChip iCFLチップセット」とLED照明用の「GreenChip iSSLチップセット」があり、いずれも高い効率と調光機能が特長だという。2つ目は、待機時の消費電力を低く抑えた電源制御IC。「スマートライティングのアプリケーションでは特に、ユーザーやネットワークからのコマンドをランプが常に待っている状態が続くので、待機電力の低減が重要になる」(NXP)。3つ目は、IEEE 802.15.4規格に対応する2.4GHz利用の無線機能を搭載したマイコン。無線送受信時の消費電流を17mA未満に抑えた。4つ目は、NXP独自のIPネットワーク規格「JenNet-IP」のネットワーク層ソフトウェア。同規格は、IETF(Internet Engineering Task Force)が策定する「6LoWPAN(IPv6 over Low power Wireless Personal Area Networks)」を拡張して適用しており、NXPによれば「IPベースの無線接続を低消費電力で実現できる」という。

 既にGreenChipソリューションを利用している企業もある。蛍光灯やLED照明の電球を手掛けるTCPや、宅内エネルギー管理システム(HEMS:Home Energy Management System)ベンダーのGreenWave Realityである。

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