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Android搭載型端末が2011年第1四半期に35%のシェアを獲得、米国では49%にビジネスニュース 業界動向

英国の調査会社Canalysが2011年第1四半期の全世界におけるスマートフォンの動向をまとめた。全世界ではAndroidが勝者となり、米国内でもAndroid陣営全体が49%のシェアを確保した。ただし、米国内ではiPhoneもシェアを伸ばしており、単一の企業としてはトップである。Nokiaはシェアが下がったものの、全世界では最大のスマートフォンベンダーであり続けた。

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 英国の市場調査会社であるCanalysが2011年第1四半期の全世界のスマートフォン市場の動向を明らかにした(図1)。「Android」を搭載したスマートフォンのシェアが35%に達し、Androidが席巻した形となった。具体的には、スマートフォン市場全体の出荷数量1億100万ユニットのうち、Android搭載スマートフォンの出荷数は3570万ユニットに上った。Canalysは、2011年第2四半期も、Androidがスマートフォン市場でトップの座を維持するとみている。

 同社は、アジア太平洋地域(APAC)へのスマートフォン出荷数量が、前年同期比98%増の3730万ユニットに達し、EMEA(ヨーロッパ、中東、アフリカ)を抜いて最大のスマートフォン市場となったことも挙げた。国別にみると、中国本土、韓国、インドに向けて大量のスマートフォンが出荷され、出荷数量はいずれも前年同期比で3桁(100%以上)の成長を記録したという。世界全体の成長率は前年同期比83%増である。

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図1 スマートフォンの市場動向 全世界におけるスマートフォンの出荷数量などを4地域ごとにまとめた。左から地域、2011年第1四半期の出荷数量(単位100万台)、地域ごとのシェア、2010年第1四半期の出荷数量、地域ごとのシェア、年間成長率。出典:Canalys

Nokiaはアジアで強い

 Nokiaは最近、EMEA地域ではResearch in Motion(RIM)に、APAC地域ではAppleに先行するため、プラットフォーム戦略を再編したばかりである。そうした状況下にもかかわらず、Nokiaの2011年第1四半期のスマートフォン出荷数は、前年比13%増となる2420万ユニットに達し、引き続き世界最大のスマートフォン・ベンダーとしての地位を維持することができた。ただし、全世界でのシェアは前年の39%から24%に下落した。

 APAC地域は今や、Nokiaの最大のスマートフォン市場となり、出荷数量全体の53%を占めるという。APAC地域へのスマートフォン出荷数量は、EMEA地域への出荷数よりも300万ユニットも多い。Canalysは、国別のデータでみると、Nokiaが引き続き、中国本土を含む28カ国でスマートフォンのトップベンダーとして君臨しているとした。中国本土では、第1四半期が春節の商戦期と重なったこともあり、同期のスマートフォン出荷数は前年同期比79%増の890万ユニットに達した。

 Canalysで主席アナリストを務めるピート・カニンガム(Pete Cunningham)氏は、「2011年第1四半期に、Android搭載スマートフォンの出荷を先導したのは、HTC、Samsung Electronics、LG Electronics、Motorola、Sony Ericssonで、各社はそれぞれ300万ユニット以上のスマートフォンを出荷した。Samsung ElectronicsはAndroid搭載機以外にも、独自プラットフォーム「bada」を搭載したスマートフォンをおよそ350万ユニット出荷している他、「Windows」搭載のスマートフォンについても、100万ユニット以上を出荷している。

LGがMotorolaを抜く

 2010年第4四半期の時点では、世界のスマートフォン・ベンダーのトップ5は、Nokia、Apple、RIM、Samsung Electronics、HTCだった。Appleは、2011年第1四半期のスマートフォン市場でのシェアを19%にまで伸ばした。一方、RIMのシェアは同時期に下がった。その要因として、2011年第1四半期にスマートフォンの製品ポートフォリオを刷新せず、タブレットPC「PlayBook」の発売に注力したことが挙げられる。

 LG Electronicsは、全ての地域で、Android携帯スマートフォン「Optimus」の売り上げが好調だったことにより、Motorolaを抜いて市場第6位に躍り出た。米国はいまだ一国としては世界最大のスマートフォン市場であるが、同国ではAppleが引き続き他社との差を広げており、そのシェアは前年同期比150%増の31%に達した。携帯電話キャリアであるVerizon WirelessによるiPhone 4の販売実績が、Appleのスマートフォン出荷数を大幅に底上げした。

 米国では、2011年第1四半期のAndroid搭載スマートフォンの出荷数量が、スマートフォンの出荷全体の49%を占め、Androidは3四半期連続で、スマートフォンプラットフォームの市場シェア1位となった。中でも、HTCの出荷数量は前年同期比で200%も増加し、同社は米国のスマートフォン市場で第2位の位置につけ、同国の主要なAndroid搭載スマートフォンベンダーとなった。

4GとLTEの浸透進む

 米国市場では4G対応の機種の影響力が第1四半期に増した。例えば、Samsung ElectornicsのGalaxy S 4GやHTC EVO Shift 4G、T-Mobile myTouch 4Gなどの機種である。第1四半期を特長付ける出来事がもう1つあった。LTEである。第1四半期はLTE対応機種出荷後の最初の四半期である。Verizonのfs 4Gネットワークは2010年12月に立ち上がった。CanalysはLTE対応機種は60万ユニット以上出荷されたと見積もっている。

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