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旭硝子が0.1mm厚の薄板ガラスを開発、次世代タッチパネルなどに向くディスプレイ技術

タッチパネルや次世代照明などでは、より薄いガラスに対する要望が高い。ガラスは透明性や電気絶縁性、耐熱性、耐薬品性、耐ガス性などで樹脂に勝るが、比重が大きく重くなりがちだ。強度を保ったまま薄型化ができれば、より幅広い機器に利用できる。

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 旭硝子は、フロート法で製造したガラスとしては世界最薄となる、0.1mm厚の薄板ガラスを開発したと発表した(図1)。次世代ディスプレイや照明、タッチパネルディスプレイなどに向けるという。

 フロート法は溶融金属の上にガラスを浮かべて成型することにより、平坦性の高いガラスを量産できる。

 旭硝子は、過去20年間にわたり薄板ガラスの製造を手掛けてきた。2011年4月には、0.28mm厚のタッチパネル用ガラス基板向けソーダライムガラスを開発したと発表したばかりだ。ソーダライムガラスは、SiO2(二酸化ケイ素)とNa2O(酸化ナトリウム)、CaO(酸化カルシウム)などを主成分とし、建築用機器や車載機器などの幅広い電子機器で使われている。

 今回開発した0.1mm厚の薄板ガラスは、NaやKなどのアルカリ金属元素を含まない無アルカリガラスである。主成分は、SiO2とB2O3(酸化ホウ素)、Al2O3(酸化アルミニウム)など。無アルカリガラスは、TFT液晶パネルや有機ELパネルに向けたガラス基板として、幅広く使われている。

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図1 マッチ棒の先端と比較した薄板ガラス 厚みが0.1mmであるため、ロール状に巻き取ることもできる。

 旭硝子の広報・IR室長を務める上田敏裕氏は、0.1mm厚の薄板ガラスについて、数社の自動車メーカーがダッシュボードへの適用を検討していると明らかにした。ただし、具体的な社名については言及を避けた。同氏は、米国ロサンゼルスで2011年5月15日〜20日の日程で開催されたディスプレイ関連の国際会議「Society for Information Display 2011(SID 2011)」において、「当社が開発した高耐久性の薄板ガラスは、特に薄型化と省エネ化が進むディスプレイや有機EL照明などをはじめ、幅広い分野への適用が期待できるとして注目を集めた」と述べた。

 薄板ガラスは、ガラスの基本的特性である透明性や電気絶縁性、耐熱性、耐薬品性、耐ガス性を備えるだけでなく、機器の形状の自由度を高めたり、さらなる軽量化を実現できると期待される。

 旭硝子は、板ガラスや自動車用ガラス、ディスプレイ用ガラス、科学薬品、先端材料、ハイテク部品などのサプライヤであるAGCグループのメンバー企業である。

【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】

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