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漏れ磁束を積極活用で小型化に貢献、複合トランスのスイッチング電源をうまく設計するには…:電源設計(2/2 ページ)
トランスを含むスイッチング電源の設計には、特有の難しさがある。磁性部品であるトランスを、電気回路の設計にどう取り込むかという課題だ。
共鳴型ワイヤレス給電技術に「パワエレ」の視点を
講演ではこの他、「複共振電流ZVSコンバータ(電力伝送回路)」*1)も紹介した。トランスを使う絶縁型DC-DCコンバータを、ワイヤレスの電力伝送回路として捉えようというアイデアである。トランスの1次側が送電側、2次側が受電側に相当する。
この複共振電流ZVSコンバータは、共振現象を利用して電力を送ることが特徴。共鳴型ワイヤレス給電システムとみることができる。1次側と2次側の結合は、磁界結合だけではなく電界結合も考慮し、結合部の等価回路はインダクタンスだけではなく、コンデンサも含めた。
ここ最近、共鳴型のワイヤレス給電システムはさまざまな分野で注目を集めているものの、まだ研究段階にとどまっているのが現状だ。細谷氏は、パワーエレクトロニクスの知見を開発に生かすことで、ワイヤレス給電システムを実用化に向けて大きく前進させられると考えている。パワーエレクトロニクスの研究領域には、電源回路のトポロジーをはじめ、電力を効率よく伝えたり、出力電力の精度や安定性を向上させるといった観点で、長年の技術の蓄積がある。
*1)複共振電流ZVSコンバータ(電力伝送回路)についての詳細は、2011年6月30日に開催される「AETワークショップ(プログラム)」や、7月20〜22日に開催される「TECHNO-FRONTIER 2011(プログラム)」で講演する予定である。
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