DRAMモジュール市場は今後4年間にわたり成長が続く、IHS iSuppliが予測:ビジネスニュース 市場予測
DRAM市場の成長は着実だ。IHS iSuppliによれば2011年は対前年比10.9%増となる。PCが搭載するDRAMの容量は年率30%で成長する見込みだ。
米国の市場調査会社であるIHS iSuppliがDRAMに関する市場予測を発表した。2011年のDRAMモジュールの出荷数は、2010年の7億3320万個から10.9%増となる8億1280万個に達するという。ただし市場成長率は、2010年の14.6%と比べるといくぶん低い。
DRAMモジュール市場は今度4年間にわたって成長を続け、市場成長率は2012年が8%、2013年が6%、2014年が9%、2015年が4%になるという予測だ。
2011年に出荷が見込まれるDRAMモジュールのうち63%(5億1040万個)は、Samsung Electronicsのように、自社向けだけでなくコンピュータメーカー向けにもモジュールを製造するメーカーが出荷するOEM製品となるという。
OEM製品の次に多いのがサードパーティー製品で、2011年に出荷されるDRAMモジュールの19%(1億5500万個)を占めるという。コンピュータメーカーは、これらサードパーティー製品を自社のコンピュータのメモリパッケージとして使う。2011年に出荷されるDRAMモジュールの残り18%(1億4730万個)は、サードパーティーが小売業者向けに販売するアップグレード向けだという。
ホワイトボックス向けやアップグレード用のモジュールをまとめた、いわゆるサードパーティーDRAMモジュール市場の2010年の売上高は106億米ドルだった。このうち最大のメーカーは49億米ドルを売り上げたKingston Technologyで、2010年のサードパーティーDRAMモジュール市場の売上高の約半分を占めた。
PCの搭載容量は年率30%以上で増加
IHS iSuppliのアナリストで、メモリ需要予測を担当するクリフォード・ラインバック(Clifford Leimbach)氏は、「現在、DRAMモジュール市場の中で最も大きな割合を占める規格は、DDR3 DRAMだ。一方、DDR3の1つ前の規格で2006年〜2009年に主流だったDDR2は、DDR3と比べるとデータ転送速度が遅いこともあり、現在ではDDR3に取って代わられた形となった。今後5年間は、DDR3がトップの座を維持するとみられる。次世代規格のDDR4はまだ策定中だが、2015年第2四半期には同規格がDRAMモジュールの首位を獲得するだろう」と述べている。
PCに搭載されるDRAMの平均記憶容量は、毎四半期ごとに確実に増加している。2011年第1四半期のDRAMの平均容量は3.7Gバイトだったが、同年第4四半期には4.69Gバイトに上る見込みだ。PCに搭載されるDRAMの平均記憶容量は、2012年は初めて5Gバイトに達すると予測される。PCのDRAM搭載容量の年間増加率は、2011年に30%で、2012年は36%になると予想される。
【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】
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