パワートランジスタ市場は2011年に9%成長へ、IC Insightsが予測:ビジネスニュース 市場予測
パワートランジスタ市場の成長が著しい。2010年に44%成長した後、2015年まで成長し続ける見込みだ。IGBTモジュールと耐圧200V以下のFETが市場全体を引っ張る形だ。
米国の市場調査会社であるIC Insightsは、2011年におけるパワートランジスタの世界市場が、2010年比で9%増となる131億米ドル規模に達する見込みだと発表した。同市場は2010年に、2009年比44%増となる記録的な成長を遂げたばかりだ。IC Insightsは、こうした成長をけん引する分野として、自動車向けや携帯型機器、代替エネルギーアプリケーション、消費電力節減技術などを挙げ、売上高は今後も伸び続けるとみている。
ただし、パワートランジスタの平均販売価格は、わずかに下落する見込みだという。パワートランジスタの2011年の世界出荷数量は、前年比で11%増加し、過去最高となる588億個に達するとみられるためだ。数量が成長する要因として、車載用電子機器や新しい再生可能エネルギーシステム、電池駆動の携帯型機器、幅広い機器用途に向けた高効率電源などの分野で、伸びが平均を上回っていることが挙げられる。
図1 パワートランジスタの市場予測 円の大きさは2010年の市場規模に比例する。縦軸は2010年時点の市場シェア(%)、横軸は2010年から2015年までの年平均成長率(CAGR)。耐圧200V以下のパワーFETとIGBTモジュールはパワートランジスタ市場に占める比率が高く、今後の成長も期待できる。出典:IC Insights
2011年のIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)モジュール市場は、前年比10%増となる25億米ドル規模に達する見込みだ。IGBT自体とパワーFETの2011年の売上高は、それぞれ9億6千万米ドルと69億米ドルに達し、9%増加すると予測されている。
今後5年間は成長するという予測
パワートランジスタの売上高は、2010年〜2015年の間に年平均成長率(CAGR)6.4%で伸び、2015年末には163億米ドルに達する見込みだ。また、同5年間における低耐圧パワーFET(耐圧200Vまで)の売上高は、年平均成長率6.7%で伸び、2015年には64億米ドルに達する見込みだという。IGBTモジュールの売上高は、年平均成長率7%の伸びで2015年には32億米ドルに達し、さらにディスクリートIGBTは、年平均成長率6.5%の伸びで2015年には12億米ドルに達する見込みである。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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