1/4ブリックで出力が720Wと大きい中間バス用DC-DCコンバータをCUIが出品:TECHNO-FRONTIER 2011
SEPIC型と一般的な降圧型を組み合わせて構成したCUI独自の電源トポロジ「Solus」を採用することで、単位容積当たりの出力容量を高めた。競合他社品は400W程度にとどまるという。
電源モジュールなどを手掛ける米国の電子部品メーカーCUIの日本法人シーユーアイ・ジャパンは、外形寸法が58.4×36.8×12.2mmのいわゆる1/4(クォータ)ブリックサイズで、出力電力が720Wと大きい絶縁型DC-DCコンバータモジュール「NQB2060シリーズ」を開発し、「TECHNO-FRONTIER 2011」(2011年7月20日〜22日、東京ビッグサイト)に出品した(図1)。米国で2011年7月19日に発表したばかりの製品である。「競合他社の1/4ブリック品は、出力電力が400W程度にとどまっている。当社はそれを2倍近くまで高めた」(CUIでVP of Advanced Power Marketingを務めるMark Adams氏)。
中間バスアーキテクチャ(IBM:Intermediate Bus Architecture)に対応したDC-DCコンバータである。入力電圧範囲は36〜60V。出力電圧は12Vで、出力電流は最大60A。変換効率は標準96%と高い(12V出力の100%負荷時)。入出力間の絶縁耐圧は1500Vを確保した。電源回路のトポロジは、SEPIC(Single Ended Primary Inductor Converter)型と一般的な降圧型を組み合わせて構成したCUI独自のトポロジ「Solus」を採用する。「Solusトポロジは、一般的な降圧型コンバータに比べて、制御用FETのスイッチング損失を大幅に減らせる上、回路の導通損失を半減させることが可能だ。変換効率を高められるとともに、容積当たりの電力容量を増やすこともできる。これにより、1/4ブリックサイズで720W出力を達成できた」(Adams氏)。
既に一部の顧客企業に向けてサンプル出荷を始めており、2012年の第1四半期に量産出荷を開始する予定である。同社は今後、入力電圧範囲をさらに広げた品種や、出力電圧が9.6Vの品種なども投入する計画だ。また同社は、Solusトポロジを、今回のNQB2060シリーズのような絶縁型DC-DCコンバータに加えて、非絶縁型のDC-DCコンバータや、AC-DCコンバータにも適用していく考えである。
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