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PCビジネスは続くも、やはりモバイルの勢いは強しビジネスニュース オピニオン

GoogleがMotorola Mobilityを買収し、HPはPC事業のスピンアウトを検討すると発表した。PCというビジネスは今後も長きにわたって続くと思われるが、やはり現在は、モバイルの勢いが強いのは否めない。

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 2011年8月15日、Googleは携帯端末メーカーのMotorola Mobilityを125億米ドルで買収すると発表した(関連記事)。さらに、その3日後の8月18日には、世界最大手のPCメーカーであるHewlett-Packard(HP)が、PC事業のスピンアウトを検討することを明らかにしている(関連記事)。立て続けに起こったこれらの出来事は、モバイル時代の到来を告げるにふさわしいものだったといえよう。

 筆者は、2011年8月17〜19日に米国で開催された高性能マイクロプロセッサの国際学会「HOT CHIPS 23」において、NVIDIAでグラフィックスプロセッサの設計を手掛けるベテランのエンジニアに、彼にとって最大の課題とは何かを尋ねてみた。彼の答えは、「絶え間なく進化し続けるモバイルシステムの市場動向に気を配り、モバイル機器の開発/設計にかかる作業負荷を把握すること」だった。

 マイクロプロセッサの分野では、着想から実際の製品を出荷するまでに、3年もしくはそれ以上かかるのが一般的である。だからこそ、エンジニアは、自分たちが開発したシステムが現在どのように利用されているのかを把握しようとするし、また、数年後にはどういった目的で活用されそうなのか、予測を立てようとする。プロセッサの開発プロジェクトの多くは、ここ3年でスマートフォン市場がこれほど成長するとは想定せずに、始動あるいは進行してきたものだろう。まして、タブレット端末市場が生まれるとは予想もしていなかったはずだ。

 先に登場したNVIDIAのエンジニアは、「PCゲーム向けに最新のチップを提供するだけでは不十分だ」と感じているという。すなわち、「携帯電話機などのモバイル機器にも容易に応用が利くデバイスを、いかにして開発すればよいのかを考慮する必要がある」ということだ。

 San Jose Mercury News誌に掲載されたコラムで、同誌のライターであるChris O'Brien氏は、「PCは、誕生から30年でついに終えんを迎えた」と書いていた。このコラムは秀逸だったが、筆者自身は、まだPCの時代が完全に終わりを告げたとは思っていない。

 PC事業は、今後何年にもわたって続いていくだろう。だが、その勢いは、1桁の成長率を辛うじて生み出す程度にまで衰えてしまうに違いない。かつては誰もが、Intelが1985年に発表したCPU「386」を搭載したPCや、カラーテレビを欲しがった。同じように、現在は多くの人が「iPhone」や、「Android」を搭載した携帯端末を欲しがっている。

 モバイルの時代も、いつかは終わりを迎えるのかもしれない。その次にやって来る時代では、どのようなデバイスがエレクトロニクス産業の主役となっているのだろうか。

【翻訳:青山麻由子、滝本麻貴、編集:EE Times Japan】

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