2016年にはPOS端末の85%が非接触決済に対応、ABI Researchが予測:ビジネスニュース 市場予測
非接触決済技術の開発が進み、この分野への関心が高まっている。包括的な非接触決済システムが、日常生活に浸透する日は近いかもしれない。
非接触決済技術の開発が進んでいる。Googleは2011年5月、「Android」を搭載したスマートフォン向けに、NFC(近距離無線通信)を利用したモバイル決済サービス「Google Wallet」を発表した。これによって、NFCを搭載した新たなスマートフォン(NFCスマートフォン)が市場に投入されるとみられており、非接触決済の分野への期待が高まっている。
米国の市場調査会社であるABI Researchによると、2010年におけるPOS端末の出荷台数のうち、非接触決済に対応しているものは、わずか10%程度だったという。
「今後12カ月で、米国内で利用されるPOS端末の3分の1が、非接触決済に対応するようになる」と予測するメディアもある。ABI Researchは、「こうした予測には賛同しない」としながらも、「2016年には、世界に出荷されるPOS端末のうち、非接触決済に対応するものは85%を占めるようになる」と見込んでいる。同社はその根拠として、NFCスマートフォンや非接触型ICカードが急速に普及していることを挙げている。
ABI Researchでシニアアナリストを務めるCraig Foster氏は、「非接触決済の技術によって、支払い方法が、がらりと変わる可能性がある。レジに並ぶ時間もかなり短くなるだろう」と述べている。
また、ABI ResearchでM2M(機器間通信)担当ディレクタを務めるSam Lucero氏によると、「非接触の技術は、ATMにも導入されようとしている。ユーザーは、カードを挿入する代わりに、機器の画面にカードをかざして暗証番号を入力すればよい」という。
POS端末市場では、大手メーカーであるIngenico、VeriFone、Hypercomの3社がシェアの大半を占めている。なお、VeriFoneは2011年8月、Hypercomの買収を完了したと発表した。またIngenicoでは、2010年の製品出荷数のうち21%を非接触決済に対応した端末が占めており、同社の製品ポートフォリオにおける非接触型の決済端末の重要性がますます高まっている。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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