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「ルンバ」の生みの親が語る、ロボット×モバイルコンピューティングがもたらす未来とは?【ITmedia Virtual EXPO 2011】

日本でもすっかりおなじみになったお掃除ロボット「ルンバ」。それを生み出したiRobotには、もう1つ、軍事/産業用ロボットのメーカーという別の顔がある。東京電力・福島第一原発の事故で、建屋内の放射線量や温度などの測定に投入された多目的作業ロボットも同社の製品だ。同社の創設者の1人で現CEOを務めるColin Angle氏が、ロボット技術とモバイルコンピューティング技術の融合がもたらす未来像を語った。

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 iRobotは、お掃除ロボット「ルンバ(Roomba)」を生み出した企業として知られている。ルンバは大ヒットとなり、これまでの販売台数は600万台に達する。しかし、マサチューセッツ工科大学(MIT)からスピンアウトして創設されたこの企業が手掛けるのは、家庭でカーペットのホコリを吸い取るロボットや、工場の生産ラインで組み立てをこなすロボットにとどまらない。同社が創設時に掲げたミッションは、「実際のアプリケーションに使えるインテリジェントなロボットを提供していく」というものだ。そうしたロボットには、緊急事態や災害の現場において、危険な探索や、偵察、爆弾除去などを担い、人間の安全を守るという役割がある。

図1
図1 iRobotの創設者の1人で現CEOを務めるコリン・アングル氏

 この創設のミッションを果たすべく、同社は多目的作業ロボットの「iRobot 510 PackBot」と「iRobot 710 Warrior」の各2台ずつ計4台を、東日本大震災の後、東京電力・福島第一原発に派遣した。同社の社員6名も日本に飛び、東京電力の社員にトレーニングを施し、人間にとって危険な作業をこれらのロボットが代わりに遂行できるようにしたのである。

 東京電力は、PackBotを使って発電所内の放射線量や温度、酸素レベルを測定している。またWarriorには強力な監視装置が取り付けられ、重い荷物を運べるようになっているという。

 両ロボットは各種のカメラとセンサーを備えており、人間の作業員は危険な環境に直接立ち入ることなく、その領域の状況を把握できる。PackBotは有害物質センサーを搭載し、化学物質や微生物、放射線による危険を検出することが可能だ。

 iRobotが災害対策の支援にロボットを派遣するのは、今回が初めてではない。PackBotは、米国の同時多発テロ事件「9・11」で崩壊したニューヨークの世界貿易センタービルで活動した。また、水中ロボット「iRobot Seaglider」は、メキシコ湾で昨年発生した大量の原油流出事故で、水中の原油を検出する任務を負った。

図2
図2 iRobotの多目的作業ロボット

 iRobotの創設は1990年にさかのぼる。MITのロボット研究者だったコリン・アングル(Colin Angle)氏とヘレン・グライナー(Helen Greiner)氏が教授のRodney Brooks(ロドニー・ブルックス)氏と組んで、実用的なロボットを作り出すというビジョンを掲げて立ち上げた。今や同社は株式公開企業であり、創業20年周年となる2010年には4億米ドルの売り上げを記録している。機械工学や電子工学、ソフトウェアのエンジニア、関連のサポートスタッフを含めて、ロボット業界のプロフェッショナルを600人以上も抱える規模に成長した。マサチューセッツ州のベッドフォードに本社を構え、カリフォルニアやミシガン、ノースカリフォルニア、バージニア、中国(香港オフィスも含む)、フランス、インド、英国にも拠点を持つ。

 同社が手掛けるロボットのうち、お掃除ロボットのルンバをはじめとした消費者向け製品では現在、日本と欧州が売上高で最大の市場である。しかし同社は最近、ラテンアメリカ地域の市場開拓にも取り組むと発表した。iRobotの創設者の1人で現在は会長兼CEO(最高経営責任者)を務めるコリン・アングル氏によれば、この地域では200米ドルを超える販売価格のお掃除ロボットで年間2億米ドルもの市場規模が見込めるという。同社はまた、来年には中国市場にも消費者向け製品を投入する計画を立てている。

 EE Timesはベッドフォードにある同社の本社を訪問し、コリン・アングル氏に同社が描くロボットの未来像をインタビューした。

インタビューの模様を9月30日まで24時間開催中のバーチャルイベントで公開中!!

 アイティメディアは、コリン・アングル氏のインタビューの模様を2011年9月30日まで開催中のバーチャルイベント「ITmedia Virtual EXPO 2011」において、スペシャルセッション『「ルンバ」の生みの親が語る――ロボット×モバイルコンピューティングがもたらす未来とは』として公開している。同社オフィスに設けられた「ミュージアム」を同氏自ら案内し、ルンバの初代機やその先祖とも呼ぶべき歴代の製品も披露する。

 PCとインターネット接続環境さえあれば、いつでもどこからでも本バーチャルイベントに入場することが可能だ。参加は無料。ぜひ下記ページ(モノづくりITゾーン)から登録のうえ、今すぐ参加してほしい。

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