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「802.11ac/adへの移行が加速」、ABI Researchが予測ビジネスニュース アナリストリポート

次世代の無線LAN規格であるIEEE 802.11ac/adへの移行が順調に進んでいる。2014〜2016年ごろには、これらの規格に対応した製品が高い市場シェアを占めるようになるとみられている。

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 米国の市場調査会社であるABI Researchの予測によると、IEEE 802.11acに対応した製品は、2012年にはまだ出荷数量が少ないものの、2013年に急激に増加して、2014年までには高いシェアを占めるようになるという。また、特定分野に向けた一部の製品だけが、5GHz帯のみを使用するシングルバンド対応のチップセットとなり、それらを除くほとんどの製品は、802.11acおよびIEEE 802.11nに対応するデュアルバンドのチップセットになる見込みだとしている。

 BroadcomやIntel、Qualcomm Atheros、Texas Instruments(TI)などの無線LANチップセットの大手ベンダーは、できるだけ早く802.11acへの移行を進めることによって、市場シェアの維持や拡大を狙う考えだ。一方、より小規模のベンダーは、競合するプロトコルや帯域、MIMO(Multiple Input Multiple Output)を採用したチップセットを、大手ベンダーが次世代規格に移行している期間を狙って市場に投入することで、シェアの拡大に取り組むとみられる。

 また、IEEE 802.11adに対応した製品は、協業関係を構築したQualcomm AtherosとWilocityが先導的な役割を担うことにより、早い時期に市場に投入されることになるだろう。ただし、802.11ad対応の製品が市場シェアの50%を獲得できるのは、2016年ごろになる見込みだ。同規格は、デュアルバンドまたはトライバンドのチップセットで採用が進むとみられている。802.11n/acに対応したチップセットの1×1のSISO(Sigle Input Single Output)版は、コストを低く抑えられるため、2015年まで優勢を維持すると予測されている。しかしその後は、2×2および3×3 MIMOのチップセットに追い越されるだろう。ただし、それには携帯機器向けの2×2 MIMOチップセットを投入することが不可欠となる。

 ABI Researchのモバイルネットワーク部門でリサーチディレクタを務めるPhilip Solis氏は、「802.11nの1×1 SISOチップセットは、802.11gに対応する製品を置き換えた。現在でもIEEE 802.11gに対応したチップセットが少量ながら出荷されているものの、802.11nへの移行は大方の予想を上回る速さですでに完了したといってよい。これは、802.11acの今後を明確に示しているといえる。802.11nの時のように、仕様制定時期の遅れが繰り返されるといった事態がない限り、802.11acへの移行は今後、急激に進むだろう」と述べている。

 ABI Researchの最新リポート「Wi-Fi Chipset Evolution: From 802.11n to 802.11ac and 802.11ad(無線LANチップセットの変革:802.11nから802.11ac/adへ)」では、無線チップセット市場における、802.11nから802.11ac/adへの移行について取り上げ、製品カテゴリごとにプロトコルや帯域、MIMO構成などを予測している。また、802.11n/ac/ad対応チップセットについて、ベンダーや製品、プロトコル、帯域、MIMO構成などに関するデータも提供している。

【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】

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