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「2011年Q3の半導体在庫は“懸念すべきレベル”」、Gartnerが予測ビジネスニュース 業界動向

米調査会社によると、2011年第3四半期の半導体在庫は「懸念すべきレベル」になるという。ただし、今後数四半期をかけて在庫の調整が行われ、2012年第2四半期には通常に戻るとしている。

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 Gartnerは、2011年第3四半期における半導体の在庫に関する予測を発表した。それによると、「現在の経済状況や、消費者および企業による半導体支出が当初の予想よりも下回るとみられることなどから、半導体の在庫は『懸念すべきレベル』となり、しばらくはその状態が続くだろう」という。

 同社は、今後、半導体業界では在庫調整が進むと予測している。

 Gartnerで市場調査のシニアアナリストを務めるGerald Van Hoy氏は、「2011年第3四半期に入った当初、半導体の在庫レベルは『中程度に高い』状態だった。現在の在庫レベルは、経済状況の悪化によって非常に高くなっており、業界は製造量の増加を抑え、累積在庫を減らす対策をとる必要に迫られている。半導体製造各社は今後数四半期の間にこうした対策を実施し、2012年第2四半期には半導体の販売状況はほぼ正常に戻るとみられる」と述べる。

 同社によると、「今後、半導体業界は数四半期をかけて緩やかに在庫の調整を行うとみられるため、2011年後半から2012年初頭にかけては、半導体製造の需要が減ることが予想される。機器メーカーにおける半導体の在庫率は上昇し始めたとはいえ、そのレベルはまだ過去最低水準であるため、受注調整の影響は半導体ベンダーの売上高にさほど影響を与えないだろう」という。

 Gartnerの予測は、同社が半導体サプライチェーンの調査によって割り出した在庫指数「GIISST(Gartner Index of Inventory Semiconductor Supply-chain Tracking)」を基に算出されたものである。2011年第3四半期の在庫日数(DOI)は1.12で、依然警戒が必要なレベルにあるとしている。

 GIISSTでは、DOIが1.10を上回ると在庫過多となり、平均小売価格の低下を招くとみなす。反対にDOIが0.95を下回った場合は在庫不足で、在庫製品はすべて出荷割り当てが決まっている状態となり、二重発注が発生する恐れがあるという。

【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】

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