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高床式の未来型スマートハウスが登場、電力は「リーフ」が供給CEATEC 2011

日産自動車は、「CEATEC JAPAN 2011」において、高床式の未来型スマートハウス「NSH-2012」で消費する電力を、電気自動車「リーフ」から供給するデモンストレーションを行っている。その中核を担う電力制御装置は2011年度末までに市場投入される見通し。

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 日産自動車は、「CEATEC JAPAN 2011」(2011年10月4日〜8日、幕張メッセ)において、高床式の未来型スマートハウス「NSH-2012」を展示した。

 NSH-2012の内部で使用する電子機器の電力は、京セラ製の太陽光発電システムやJX日鉱日石エネルギーの燃料電池システム、そして電気自動車(EV)「リーフ」のリチウムイオン電池から供給されている。また、リーフから家庭に電力を供給するためのV2H(Vehicle to Home)システム「LEAF to Home」の中核を担う電力制御装置(PCS:Power Control System)も披露された(図1)。リーフから家庭に電力を供給する際には、急速充電用コネクタ/ケーブルを使ってリーフとPCSを接続する。PCSの内部に組み込まれた直流‐交流変換回路を用いて、リーフのリチウムイオン電池から得られる直流電力を変換し、最大で1.5kWの交流電力を出力することが可能である。また、太陽光発電システムなどで発電した電力や系統電力を用いてリーフへの充電を行うこともできる。

図1 未来型スマートハウス「NSH-2012」と「リーフ」
図1 未来型スマートハウス「NSH-2012」と「リーフ」 日本古来の高床式を採用するNSH-2012は、数あるCEATECの展示の中でも異彩を放っている。なお、リーフの左側にある装置が「PCS」である。PCSのサイズは、商品化の際には、エアコンの室外機程度に収まる見通し。

 NSH-2012は、LED照明など省電力を意識した電子機器を使用している。これらの電子機器をすべて使用しても、消費電力は500W以下にとどまるという。また、備え付けのタブレット端末には、各電子機器の消費電力を見える化するAR(拡張現実)アプリが組み込まれている。このARアプリを用いて、タブレット端末の背面カメラでNSH-2012の室内を画面上に映し出すと、各電子機器の上に消費電力がオーバーレイで表示されるという仕組みになっている(図2)。

図2 「NSH-2012」の室内
図2 「NSH-2012」の室内 右側にあるタブレット端末の画面上に、電子機器の消費電力がARで表示されている。

 日産自動車の企画・先行技術開発本部でテクノロジーマーケティング室の室長を務める鈴木信典氏は、「PCSは2011年度末までの市場投入を目指して開発を進めている。価格については、家庭用を想定しているので可能な限り低価格に抑えたい。PCSの製造/販売は、当社が直接手掛けるのではなく、パートナー企業と協力して進めて行きたい。現在、10数社の企業と交渉を進めているところだ」と述べている。また、リーフから家庭に電力を供給することによって想定されるリチウムイオン電池寿命の劣化については、「走行時や急速充電時にリチウムイオン電池にかかる負荷と比べれば、家庭に電力供給する際の負荷は非常に小さい。このため家庭への電力供給に起因する寿命の劣化は非常に少ないと見ている」(鈴木氏)という。

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