「車載情報機器向けSoCは中核事業」――ルネサスが言明:ビジネスニュース 業界動向
SoC事業の選択と集中を検討しているルネサス。車載情報機器向けSoCについては、今後も中核事業に位置付けて拡大/強化を図って行くことが明らかになった。
ルネサス エレクトロニクスは2011年10月18日、東京都内で開催した新製品発表会において、車載情報機器向けSoC(System on Chip)を今後も中核事業に位置付け、拡大/強化して行くことを明らかにした。同社は2011年8月、SoC事業について、民生用機器向けからの撤退を含めさらなる選択と集中を検討する方針を発表していた(関連記事)。
ルネサスのマーケティング本部で自動車システム統括部長を務める金子博昭氏は、「SoC事業は中核事業と非中核事業に仕分けることになる。その中でも、車載情報機器向けSoCは中核事業に位置付けられており、今後も注力して行くことになる」と述べた。
車載情報機器向けSoCが中核事業となった理由は3つある。1つ目は、今後も車載情報機器向けSoCの市場が着実に拡大すると予想されていることだ。発表会で用いた、車載情報機器の1つである車載組み込み型カーナビの需要予測は、2010年以降、右肩上がりで市場が拡大する見込みとなっている。2つ目は、ルネサスが車載情報機器向けSoC市場で国内外とも圧倒的なトップシェアを握るなど、競合他社と比べて極めて優位なポジションを確保していることだ。3つ目の理由となるのが、顧客に対する責任である。金子氏は、「当社の車載情報機器向けSoCが高シェアを維持できているのは、ひとえに自動車メーカーやカーナビメーカーなどの顧客からの信頼に応えてきたからだと認識している。今後も顧客の期待を裏切らない姿勢を示すためにも、車載情報機器向けSoCが中核事業であるという姿勢を示す必要がある」と説明している。
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