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「かゆいところに手が届く」、米ベンチャーがM2M/無線ネット構築に新提案無線通信技術(1/2 ページ)

ReZoltが発表した組み込み無線向け「Em-Fiプラットフォーム」と、データの統合管理システム「ReZoltNet」を使えば、M2Mネットワークやワイヤレスセンサーネットワークを、短期間かつ低コストで構築できるという。

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 さまざまなデバイスや機器が無線通信によってインターネットサービスと連携する「M2M(Machine to Machine)ネットワーク」や、複数のセンサーで測定したデータを無線で収集する「ワイヤレスセンサーネットワーク(WSN)」。システムの効率化や、消費電力の削減といった市場要求を背景に、エネルギー管理や物流監視、産業オートメーション、ビルオートメーションといった多くの分野で、これらを導入する機運が高まっている。しかし、なかなか普及が進んでいないのが現状だ。

 それはなぜか――。組み込み無線ネットワークの構築支援を手掛けるベンチャー企業であるReZoltのPresident & CEOのVijay Parmar氏は、「M2MネットワークやWSNを対象にしたハードウェアやデータ管理サービスは、それぞれが個別に提供されているのが現状。この点が、導入コストや構築期間といった観点で、導入の障壁になっていた」と語る。

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ReZoltのPresident & CEOのVijay Parmar氏

 同社が2011年10月に発表した製品群は、上記の課題解決を目指したものだ。「M2MネットワークやWSNのためのエンドツーエンドのソリューション」(同氏)をコンセプトに掲げており、無線センサーのためのハードウェアのみならず、各種ファームウェアや収集したデータを管理するシステムも用意した。さらに、システム構築を支援するエンジニアリングサービスも提供する。

 従来、無線LANのハードウェアを手掛ける企業の多くは、モジュールおよびファームウェアのみを提供するのが一般的だったが、同社は収集したデータを管理するシステムや、システム構築を支援するエンジニアリングサービスまで手を広げたことが特徴だ。

豊富なファームウェアを用意

 ReZoltが2011年10月に発表した製品群の主な構成要素は2つある。1つは、無線LAN(Wi-Fi)モジュールと各種ファームウェアからなる「Em-Fiプラットフォーム」。もう1つは、無線LANモジュールに載せたセンサーで収集したデータを統合的に管理するシステム「ReZoltNet」である。

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ReZoltが手掛けるM2MネットワークやWSN向け製品群のコンセプト 無線センサーのためのハードウェアのみならず、各種ファームウェアや収集したデータを管理するシステムを用意しており、「エンドツーエンド」を掲げる。

 同社の無線LANモジュールは、Broadcomの無線チップ「BCM4319」を採用した村田製作所のSiP(System in Package)と、STMicroelectronicsの32ビットのARMマイコン「STM32F205」を実装しており、既存の組み込み機器にこのモジュールを追加するだけで無線LAN機能を追加できる。

左は、Em-Fiプラットフォームのハードウェアの構成。右は、用意したファームウェアの構成。

 ただ、このような無線LANモジュールを手掛ける企業は数多く存在する。同社が競合他社に対する強みとして挙げるのが、数多くの機能を実現するファームウェアと、先述のデータの統合管理システムである。ファームウェアとして例えば、ネットワークスタックや、SSL/TLS処理、XMLパーサ、HTTPサーバ/クライアント、DHCPサーバ、FTPクライアント、WPS(Wi-Fi Protected Setup)、SoftAP(ソフトウェアアクセスポイント)などの機能を提供する。「これらの機能の中には、オープンソフトウェアとして無償で提供されているものもある。当社のファームウェアは、組み込み機器用にプログラムコードを最適化していることが大きく異なる」(Parmar氏)。

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