米国商社も偽造チップを駆逐へ、“本物”の自社在庫品を提供するサービスを投入:ビジネスニュース 企業動向
偽造チップの急増は、半導体メーカーやユーザーだけの問題ではない。サプライチェーンにおいて大きな役割を果たしている半導体商社の対策も急務だ。米国の半導体商社であるRochester Electronicsは、同社の在庫品が本物であることを保証するサービスを開始した。
米国の半導体商社であるRochester Electronicsは2011年10月27日(米国時間)、同社の在庫品を顧客に提供する際に100%本物であることを保証するサービス「FASSt(Factory Authorized Safety Stock)」を開始したと発表した。
Rochesterのメインの流通経路では、半導体メーカーの工場から顧客の手元に半導体製品が直接出荷される。今回のFASStは、このメインの流通経路を補うもので、Rochester自身が在庫した半導体製品を顧客に出荷するサービスである。最大の特徴は、半導体メーカーの協力によって、Rochesterが在庫する半導体製品のトレーサビリティを実現していることだ。これにより、偽造チップの流通経路への紛れ込みを防げるようになる。また、FASStを利用する場合、納期が非常に短くなることも特徴となっている。Rochesterが取り扱う数百万品個のデバイスについて、間もなく同サービスを利用できるようになるという。
また、Rochesterは、「FASStの導入により、半導体メーカーがある製品の過剰在庫を抱えるような状態になった場合に、その在庫を当社が確保しておけるようになった。もし、その製品の需要が高まって、工場での生産が間に合わなくなるような場合には、FASStに確保してある在庫を利用することで安定した供給を継続できる」とも述べている。
なお、FASStに協力している半導体メーカーとしては、Analog Devices、Fairchild Semiconductor、Freescale Semiconductor、Intel、ON Semiconductorなどの名前が挙がっている。
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