自動車の機能安全規格ISO 26262、策定開始から6年越しで正式発行:ビジネスニュース 業界動向
自動車の機能安全規格であるISO 26262が、2005年の策定開始から約6年かかって正式に発行された。規格の正式発行により、自動車メーカーや車載機器サプライヤのISO 26262への対応が加速しそうだ。
自動車の機能安全規格ISO 26262が正式に発行された。ISO(国際標準化機構)のTC22(自動車関連分野技術委員会)/SC3(電気電子機器分野分科委員会)のWebページで、ISO 26262のPart 1からPart 9までの最終国際規格案(FDIS:Final Draft International Standards)の文書が購入可能な状態になった。規格の発行日は、欧州時間で2011年11月14日となっている。ただし、ISO 26262のガイドラインであるPart 10についてはまだ最終国際規格案は発行されていない。
ISO 26262の規格化は、2005年11月からTC22/SC3のWG(ワーキンググループ)16で始まった。当初、規格策定スケジュールは4年間を想定していた。しかし、一般消費者向けの量産製品に初めて機能安全規格を適用することや、欧州以外の地域が規格導入に積極的でなかったこともあり、スケジュールは大幅に遅れた。2008年6月に委員会原案(CD:Committee Draft)が承認された後、国際規格案(DIS:Draft International Standard)が承認されたのは2009年12月だった。2011年夏と言われていた最終国際規格案の発行時期も、冬の直前となる11月までずれ込んだ。
規格が正式に発行されたことにより、今後は自動車メーカーや車載機器サプライヤはISO 26262に準拠するための活動を進める必要が出てくる。また、規格策定の中心となってきた欧州では、2013年以降にもISO 26262に関連する法規制が導入される可能性が高い。
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