ブリヂストンの路面状態を判定するタイヤ、センサーの電力は環境発電で供給:東京モーターショー2011
さまざまな場面で利用が広がっているエネルギーハーベスティング(環境発電)技術。ブリヂストンが開発中の路面状態を判定するタイヤにも同技術が用いられている。
ブリヂストンは、「第42回東京モーターショー2011」(一般公開日12月3〜11日、東京ビッグサイト)において、タイヤの内部に組み込んだ小型発電機とセンサーモジュールを用いて、車両が走行している路面の状態を判定する技術の展示を行っている。
展示は、同社が「CAIS(Contact Area Information Sensing:カイズ)」コンセプトと呼ぶ、タイヤの接地面の情報を収集/解析し、タイヤに新たな価値を提供するための将来技術である。小型発電機は、約2cmの半径で回転する磁石とコイルから構成されており、タイヤが接地する際の衝撃により磁石を回転させて発電する。一方、センサーモジュールは、1軸の加速度、温度、大気圧を検知し、それらのセンサーデータをリアルタイムで車両内部に搭載する解析装置に無線通信で送信することができる。無線通信の方式については公開していない。なお、小型発電機の発電量は、車両の速度が50km/hの時に60mWである。これに対してセンサーモジュールの動作に必要な電力は40mWとなっている。このため、現時点のCAISコンセプトは高速走行時にのみ利用できるアプリケーションとなっている。
解析装置は、1軸加速度センサーのデータから得られるタイヤ表面(トレッド)の高周波振動の波形を解析して、車両が走行中の路面を7段階(乾燥、半湿、湿潤、シャーベット、積雪、圧雪、凍結)で評価することができる。この評価結果は、寒冷地における高速道路の雪氷対策などに活用することが可能だ。実際にブリヂストンは、ネクスコ・エンジニアリング北海道と共同で、2010年から冬季の道路管理業務に利用している。展示ではその結果も紹介していた。
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