人々の生活を変えるモノのインターネット、主役めぐり開発続く次世代メモリ:EE Times誌が選ぶ2012年の注目技術20(前編)(1/3 ページ)
米EE Timesの編集部が選んだ「2012年に注目すべき20の技術」の前編。モノのインターネットや、次世代不揮発メモリ、無線センサーネット、NFC、MEMSなど、前編では10の技術を紹介する。
米EE Timesの編集部は、「2012年に注目すべき20の技術」を選出した。
技術の変化のスピードを考えれば、注目すべき技術を20に限るのは適切ではないかもしれない。だが、われわれが選んだ20の技術は、それ自体に他の数多くの技術も包含している。技術というものは、それ1つが独立して存在するのではない。1つ1つの技術それぞれの礎は、エンジニアや消費者、企業、市場の取り組みや動向を通じて、概念的に、時には物理的に、互いにつながっているものだ。
ある技術が登場したとき、その本質的な意義をうまく凝縮したフレーズが生まれることがある。10年前には「SoC(System on Chip)」が生まれ、「ASIC(Application Specific Integrated Circuit)」を置き換えていった。それでは、最近よく見聞きする「IoT(Internet of Things、モノのインターネット)」は、以前からある「M2M(Machine to Machine)」といったい何が違うのだろうか? 私たちがどんな流行語を使おうが、重要なポイントは、その技術によって企業の成功や市場の拡大につながるような製品を開発できるかどうかである。
われわれが2011年に起きた自然災害や経済危機から1つ学んだとすれば、「エレクトロニクスと半導体の分野においては、たとえ市場全体の成長が限られていても、急速に発展する領域が必ずどこかにある」ということだ。そうした“ホット”な領域を実現するのも、今回選出されたような注目技術である。
注目技術その1 MEMS
MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)とひとくくりにしているが、詳しくは成長率が高い複数の領域からなる。具体的には、MEMS技術で実現する圧力センサーや湿度センサーなどの環境センサー、シリコンマイク、加速度センサーやジャイロスコープ(角速度センサー)などの慣性センサー、インクジェットやマイクロフリューイディクス(マイクロ流体回路)、マイクロミラーデバイスやマイクロミラーディスプレイなどのマイクロアクチュエータ、高周波(RF)MEMS、MOEMS(Micro-optoelectromechanical Systems)、バイオ電子プローブ(生態観測装置)、バイオ電子基板などだ。
可動部を持たないMEMS加速度センサー 米国のMEMSICが開発したMEMS加速度センサーは、「MEMS」デバイスでありながら、可動部分を持たない。ヒーターを使って中央部の空気柱の温度を上昇させ、周縁部に備え付けた熱電対で温度変化を検出し、そこから加速度を求める仕組みだ。
注目技術その2 無線センサーネットワーク
センサーとマイコン、エネルギー源、無線トランシーバを組み合わせて構築する無線センサーネットワーク。それによって形が変わるアプリケーションもあるかもしれない。
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