配送トラックのEV化キット、東京R&Dが100万円までの低価格化を目指す:カーエレ展/EV・HEV展
東京R&Dは、配送トラック向けのEV化キットを開発中だ。2020年度には年間1万キットの販売数量を確保し、価格を100万円まで低減する計画である。
東京アールアンドデー(東京R&D)は、「第4回国際カーエレクトロニクス技術展(カーエレ展)/第3回EV・HEV駆動システム技術展(EV・HEV展)」(2012年1月18〜20日、東京ビッグサイト)において、いすゞ自動車の「エルフ」をベースに電動化(EV化)した配送トラックを公開した。2012年初頭から、茨城県つくば市でスーパーマーケットチェーンのカスミや伊藤忠商事と協力して1年間の実証実験を行う。その後、エルフに代表される積載量3トン程度の配送トラック向けのEV化キットを開発する方針。2020年度には年間1万キットの販売数量を確保し、価格を100万円まで低減する計画だ。
展示したトラックは、エルフの内燃機関や燃料タンクに替えて、モーターやインバータ、リチウムイオン電池などで構成される電動システムを搭載している。モーターはUQM Technologies製で、最大出力が110kW、最大トルクが375Nm。リチウムイオン電池はEnerDel製で容量が48kWhである。満充電からの走行距離は100km。「配送トラックは1日で50kmを走行するといわれているので、どのような走行条件でも満充電から最低50kmは走行できるようにした」(東京R&D)という。
充電器については、100V電源を用いる普通充電器以外に、急速充電器にも対応している。最高速度は、高速道路でも走行できるよう120km/hにした。車両重量は、ベース車の4185kgに対して4940kgに増えた。このため、最大積載量は3000kgから2350kgに減少している。
なお、東京R&Dは、環境省の「平成23年度地球温暖化対策技術開発等事業」において「配送用トラックのEV化技術の開発・実証」プロジェクトを受託している。EV化した配送トラックの開発や、茨城県つくば市での実証実験は同プロジェクトに基づく。
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