Nokiaの新機種でWindows Phoneはシェアが拡大、アナリストが分析:ビジネスニュース 企業動向
NokiaがCESで展示したWindowsスマートフォンは、北米市場のニーズを意識した製品となっている。アナリストは、この新機種の投入が、スマートフォン市場におけるNokiaのシェアの回復と、Windows Phoneのシェアの拡大につながるとみている。
Nokiaは、2012年1月10〜13日に米国ネバダ州ラスベガスで開催された「2012 International CES(Consumer Electronics Show)」で、Microsoftの「Windows Phone」を搭載したスマートフォン(以下、Windowsスマートフォン)の新機種「Lumia 900」を披露した。米国の市場調査会社であるIHS iSuppliは、「Lumia 900の投入によって、Nokiaはスマートフォン市場でのシェアを奪回すると予想される。これに伴い、Windows Phoneも、スマートフォン向けOSのメインプレーヤとして復活を果たすだろう」と述べている。
iSuppliは、「Nokiaのおかげで、Windows Phoneは2015年にはスマートフォン向けOSシェアランキングでAppleの『iOS』を抜き、第2位に浮上すると見込んでいる。Windowsスマートフォンの出荷台数は、2011年はスマートフォン全体の2%にも満たなかったが、2015年には16.7%に拡大するだろう」と予測している。
Windows Phoneは、AndroidやiOSとの競争が激化したことから、2009年におけるスマートフォン向けOSのシェアのランキングでは、第2位の座から転落した。
iSuppliでワイヤレス通信担当シニアアナリストを務めるWayne Lam氏は、「Lumia 900は、2012年のCESで最も注目を集めた製品の1つだった。最先端の機能を搭載したこのWindowsスマートフォンは、Android陣営が発表した新製品の対抗機種として期待される。Lumia 900はNokiaにとって、市場シェア奪回の旗手となるだろう」と述べている。
Nokiaは以前は、スマートフォンの売上高で首位を誇っていたが、2011年第2四半期にSamsung ElectronicsとAppleに続く第3位に転落した。
iSuppliは、「Lumia 900の機能と同製品の販売促進戦略を見れば、Nokiaが北米地域をターゲットにしていることが分かる。北米はNokiaにとって弱点とも言える地域で、絶頂期でさえもシェアの獲得に苦戦していた」と述べている。
iSuppliで民生機器/通信分野のシニア主席アナリストを務めるFrancis Sideco氏は、「Nokiaは、Lumia 900を武器にスマートフォン市場での優位を回復し、その勢いに乗って北米地域でも成功を収めたい考えだ。ただし、北米で勝利するには、同地域での販売チャネルの構築が必須になる」と述べる。
iSuppliは、「Lumia 900は、北米市場の動向や同地域のスマートフォンユーザーのニーズに合わせて開発されたもので、米国で最初に発表された。Nokiaは、米国以外の地域向けに設計された製品をそのまま北米で発売するという、これまでの手法とは異なる販売手法をとっている。Lumia 900が搭載する4.3インチのOLED(有機ELディスプレイ)タッチパネルや12メガピクセルのカメラといった新機能に加え、RogersやTelus、AT&T、T-Mobileといった北米の通信事業者と提携していることからも、Nokiaが北米地域の販売戦略に注力していることが分かる」としている。
また、4G(第4世代)規格であるLTE(Long Term Evolution)にも対応するなど、Nokiaが北米市場でLumia 900の販売にかける熱意がうかがえる。
【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】
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