巨額投資が続くIntelとSamsung、競合各社を容赦なく引き離す:ビジネスニュース 市場動向
IntelとSamsungの設備投資額は、半導体企業の中でも群を抜いている。業界で既に揺るぎない地位を築いている両社だが、巨額の投資を行うことで、ライバルにさらに差をつけようとしている。
IntelとSamsung Electronicsは、それぞれ2012年の設備投資額を発表した(関連ニュース)。米国の市場調査会社であるIC Insightsは、「世界最大手の半導体メーカーである両社だが、競合他社をさらに引き離すチャンスを得るためには多額の投資をいとわない構えだ」と指摘している。
IC Insightsによると、IntelとSamsungの2社が今回発表した設備投資費を合計すると、半導体業界全体における2012年の設備投資費の約半分に達するという。
Intelは、2012年の設備投資費を約125億米ドル、Samsungは約122億米ドル(内訳はロジックICが約65億米ドル、メモリが約57億米ドル)と発表している。また、業界第3位のTSMCは、2012年の設備投資費を約60億米ドルと発表していることから、IntelとSamsungの投資予算はそれぞれ、TSMCの2倍以上に相当することになる。
IC Insightsは、2012年度版「McClean Report」の中で、「SamsungとIntel、TSMCにとって、“業界最大手”という地位を、よりいっそう揺るぎないものにする時がやってきた。これら3社は、それぞれの専門分野で優勢を拡大し続けている。このため、規模の面で3社に劣る競合メーカーにとっては、新製品の開発やコスト面で競争力を維持することが極めて困難になるだろう」と述べている。また、「競争力のないメーカーは撤退を余儀なくされ、一握りの主要プレーヤ企業が、設備投資予算の大半を占めることになる」と指摘する。
IntelとSamsung、TSMCは2009年以来、設備投資費を大幅に増加してきた。2010年には、TSMCが設備投資費を2009年比の2倍に、またSamsungは同3倍に増加した。2011年には、Intelが設備投資費を2010年比の2倍に増強している。
IntelとSamsung、TSMCの2012年の設備投資額は、3社合計で307億米ドルに達する見込みだ。景気低迷に苦しんだ2009年比で約3倍に相当する金額だという。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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