スマホ市場はAppleとSamsungの2強時代、シェアの拡大続く:ビジネスニュース 市場動向
Appleの勢いが止まらない。スマートフォン市場でシェアを大きく伸ばした他、2011年第4四半期に携帯電話機市場で計上された利益のうち、同社の利益が全体の80%を占めたという。
米国の投資会社であるCanaccord Genuityでアナリストを務めるMichael Walkley氏によると、Appleの「iPhone」は、2011年の世界スマートフォン市場で19.1%のシェアを獲得したという。2010年と比べて16%の増加となる。同氏は、「2011年10月に『iPhone 4S』が発売されたことから、Appleは2012年第1四半期にはさらに多くの市場シェアを獲得し、iPhoneの市場シェアは約23.8%に拡大すると予想される」と述べている。
一方、Androidは、2011年第4四半期のスマートフォン向けOS市場で約50%のシェアを獲得し、2011年第3四半期の56%に比べると減少したものの、首位を維持した。
Appleは2011年第4四半期のスマートフォン市場でシェアを拡大したが、Androidスマートフォン市場ではSamsung Electronicsが大きくシェアを伸ばした。Walkley氏によると、2011年第4四半期におけるこれら2社のスマートフォンの利益を合計すると、市場全体の約95%に上るという。
2011年第4四半期における携帯電話機市場の利益では、Appleが全体の約80%を占めた。2010年第4四半期の48%、2011年第3四半期の56%からさらに増加したことになる。ただし、同社の携帯電話機市場における売上高ベースのシェアは、わずか8.1%にすぎない。
一方、Samsungは、2011年第4四半期の携帯電話機の利益で、市場全体の約15%を稼ぎ出した。同年第3四半期の26%からは減少しているが、「Androidスマートフォン市場における同社の売上高ベースのシェアは、2011年第3四半期の35%から2011年第4四半期には39%に拡大している」(Walkley氏)。
Walkley氏は、「RIM(Research In Motion)やNokia、HTC(High Tech Computer)、Sony Ericssonは製品の移行期にあり、Motorola Mobilityは2011年8月にGoogleに買収された(関連記事)。こうした状況から、2012年第1四半期のスマートフォン市場は、引き続きAppleとSamsungの2社がシェアをほぼ独占することになるだろう。当社が2012年1月に実施した調査によると、当面はAppleとSamsungの2強状態が続くと予想される」と述べている。
同氏は、「大手携帯電話機メーカー各社の2011年第4四半期における利益から推測すると、同四半期の携帯電話機の世界販売台数は、4億5500万台に達する見通しだ。これは、同年第3四半期の4億200万台から13%の増加となる。一方、2011年第4四半期のスマートフォンの販売台数は、前期比34%増となる1億5900万台に上る見込みだ。同四半期のスマートフォン販売台数が大きく増加した主な要因は、多くのユーザーが最新機種のiPhoneの発売を待って同年第3四半期の間はスマートフォンの購入を控えていたことにある」と述べている。
Canaccord Genuityは、2012年第1四半期の携帯電話機の販売台数は、前期比17%減となる3億7700万台に落ち込むと予測する。同四半期のスマートフォンの販売台数も、前期から14%減少し、1億3700万台になる見込みだ。同社は、2012年と2013年における携帯電話機全体の販売台数の成長率は、3〜4%になると予想している。
【訂正】
本記事の公開当初、本文中で「売上高」としていた記述の一部が、「利益」の誤りでした。お詫びして訂正いたします。上記記事は既に訂正済みです。
【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】
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