米国とEUの規制当局、GoogleのMotorola Mobility買収を承認:ビジネスニュース 企業動向
Googleは、Motorola Mobilityの買収における最後の難関を突破した。「この買収によって、市場競争が阻まれることはない」と判断されたのだ。
米国と欧州連合(EU)の規制当局は2012年2月13日に、GoogleがMotorola Mobilityを125億米ドルで買収することを承認したと発表した。
米司法省の独占禁止局によると、審査の結果、Googleが携帯電話機およびタブレットPCメーカーであるMotorola Mobilityを買収した場合に、市場競争が著しく損なわれる可能性は低いとの結論に至ったという。さらに、AppleとMicrosoft、Research in Motion(RIM)によるNortel Networksの特許買収と、AppleによるNovellの特許買収についても、市場競争は失われないと判断した。同局は、これら3つの買収案件に関する調査がすべて完了したとしている。
独占禁止局は、発表資料の中で、「当局は、今回審査を行った買収案件について、現在の市場動向を著しく変化させる可能性は低いとの結論に至った」と述べている。独占禁止局は、SEP(Standard Essential Patent:標準必須特許)に焦点を当てていた。今回買収する側の企業が、この特許を取得することによって、ライバル企業の損失を増大させたり、市場競争が排除される可能性があるかどうかが論点となっていた。
Googleは2011年8月に、Motorola Mobilityの買収を発表していたが、米国およびEUの規制当局による承認が最後の難関となっていた。
同局の発表資料によると、「SEPの使用方法によっては、市場競争が制限される可能性があると懸念していた。しかし、AppleとMicrosoftが、公正かつ合理的、非差別的な条件に基づきSEPをライセンス供与することに合意した上、SEPを特許訴訟に使用しないことを確約したため、こうした懸念は払拭された。ただし、Googleの誓約については、ややあいまいさが残っている」という。
また米司法省によると、独占禁止局は、無線機器業界の中でも特にスマートフォンおよびタブレット端末市場において、SEPの使用を引き続き監視していくという。同局は、「SEPライセンスの使い方によって市場競争が制限されるのを阻止するためには、必要に応じて強制措置も辞さない」としている。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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