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エルピーダ買収戦の行方は? アナリストが分析ビジネスニュース(3/4 ページ)

日本のDRAM業界では地位を確立しているとはいえ、エルピーダは今なお巨額の赤字を抱えており、その企業価値は定かではない。それにもかかわらず、買収戦が続いている。現時点での最有力候補は、やはりMicronのようだ。

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もうDRAM製造工場は要らない

  • アナリスト Lane Mason氏

 DRAMの生産量を増加したいメーカーなどいない。まして、1米ドル82円(2011年4月10日現在)という為替水準では、日本でDRAMを製造したがるメーカーはいないだろう。

 また、エルピーダは、最新のDRAMの製造に必要な、ASML製の液浸露光装置をあまり所有していない。


 エルピーダの強みと価値は、熟練した人材、DRAMのIP(Intellectual Property)、Rexchipの株式を64%所有している点である。エルピーダは、前身のNEC日立メモリからのIPを引き継いでいる他、2002年に三菱電機がエルピーダにDRAM事業を譲渡した際、三菱電機のDRAM関連のIPも引き継いでいる。日本のDRAM市場における地位はある程度確立されているが、台湾や韓国のDRAMメーカーのことを考慮すれば、今後どうなるかは未知数である。

 Micronがエルピーダを買収する可能性は否定できない。しかし、これまでMicronは何度かDRAM事業やDRAMメーカーを買収しているものの、失敗に終わっていることも多い。とりわけ、Inoteraと、東芝の子会社だったDominion Semiconductorの買収は大きな戦略ミスだったといっていい。

 SK Hynixは、中国江蘇省の無錫(ウーシー)にあるNANDフラッシュの製造施設とDRAMの製造施設を統合し、NANDフラッシュのみの生産体制に移行している。つまり、同社はDRAMの生産量を増やすことは考えていないため、エルピーダを買収する必要性はない。また、韓国と日本という異なる2つの文化を融合するという苦労をわざわざ背負い込むこともしないだろう。

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