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【M2M展2012】「ZigBeeは競合技術」、コードレス電話規格のDECTが宅内ネットに展開:無線通信技術 DECT
デジタルコードレス電話機用の無線通信規格「DECT」の業界団体「DECT Forum」が次に狙うのが宅内のセンサーネットワークの領域だ。トーメンエレクトロニクスは、現在策定中のDECT ULEの多様な用途を紹介していた。
トーメンエレクトロニクスは、「第1回ワイヤレスM2M展(M2M展2012、2012年5月9〜11日)」で、デジタルコードレス電話機用の無線通信規格「DECT(Digital Enhanced Cordless Telecommunications)」を宅内のセンサーネットワークに使えることを紹介していた。
DECTは、欧州電気通信標準化機構(ETSI)が1992年に策定した規格。欧州や米国のデジタルコードレス電話機に広く採用されている。1.9GHz帯を使うため、ZigBeeやWi-Fiで使われている2.4GHz帯の機器と干渉しないことが特徴。DECT規格の業界団体である「DECT Forum」は現在、既存規格をベースに消費電力を引き下げた「DECT ULE」の策定作業を進めており、2012年夏には完了する見通しである。
DECT ULEで想定する用途は、監視カメラ、健康器具、白物家電、AV機器、リモコン、防犯機器、スマートメーターの無線接続と幅広い。トーメンエレクトロニクスが展示するパネルを見る限り、低消費電力の無線通信規格「ZigBee」が対象とする用途とほぼ一致していた。DECT ULEのデータ伝送速度は最大1Mビット/秒、通信距離は最大300m程度。ネットワーク構成はスター型で、1つのゲートウェイ(親機)に30台程度の端末を接続できるという。
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