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“華麗なる転身”なのか、TIのアナログ部門トップがFreescaleのCEOに就任ビジネスニュース

TIのアナログ事業を率いてきたGregg Lowe氏が、Freescaleの新CEOに着任する。前チェアマン兼CEOであるRich Beyer氏の後任となる。この人事に対して業界関係者はさまざまな反応を見せた。

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 Freescale Semiconductor(フリースケール・セミコンダクタ)は2012年6月5日(米国時間)、Texas Instruments(テキサス・インスツルメンツ、以下TI)のアナログ事業統括を務めるGregg Lowe氏を、Freescaleの新しいCEO(最高経営責任者)兼プレジデントとして選任したことを明らかにした。

 現在49歳のLowe氏は、TIにおいて、同社の中で最も規模が大きいアナログ事業を統括するシニアバイスプレジデントを務めていた*1)。Lowe氏は、Freescaleの前チェアマン兼CEOであるRich Beyer氏の後任となる。Beyer氏はこの後、同社の取締役として籍を置くという。FreescaleはLowe氏の選任について、直ちにその効力を生じるものとしている。

*1)同氏はごく最近まで同職に就いており、2012年5月25日には、東京都内で報道機関を対象に開催したアナログ半導体事業の説明会に登壇していた(関連記事:「製品ラインの廃止はない」、TIがナショセミ統合後のアナログ事業を語る

Gregg Lowe氏
Freescaleの新しいCEOに就任するGregg Lowe氏

 またFreescaleは、同社の取締役会の非常勤会長として、J. Daniel McCranie氏を選任した。McCranie氏は発表資料の中で、「Lowe氏は、実績が豊富な優れたリーダーだ。半導体業界における幅広い経験に基づき、Freescaleの確固たる基礎を構築していく上で最適な人物だといえる。Freescaleを次なる成長段階へと導いてくれるだろう」と述べている。

 Lowe氏本人からは、今回の新しい職務に関するコメントを得られなかった。

 同氏は2009年にEE Times誌のインタビューに応じた際、「アナログ半導体市場は、半導体市場のあらゆる分野の中で最も断片化した市場だ」と述べている。また、当時のTIの買収戦略について語り、「アナログ市場は今後、数社の強力なプロバイダーを中心として統合されていくだろう」と予測していた。

 今回のLowe氏の就任発表を受け、業界はさまざまな反応を見せた。Deutsche Bank Securitiesで半導体業界担当アナリストを務めるRoss Seymore氏は、顧客向け資料の中で、「Freescaleにとって、正しい方向に進むための第一歩だといえる。Lowe氏は、Rich Beyer氏の後任としてふさわしい人物だ。アナログや組み込みプロセシングなどの重要な市場において、Freescaleの取り組みを後押しする存在となるだろう」と述べている。

 米国の市場調査会社であるGartnerでアナログ半導体のアナリストを務めるSteve Ohr氏は、今回の人事について驚きを隠せなかったという。同氏は、「当社の見方では、将来的にTIの現CEOであるRich Templeton氏が退任を表明した場合、Gregg Lowe氏がその後継者になると考えていた。(売上高が)130億米ドル規模のメーカー(TIを指す)と55億米ドル規模のメーカー(Freescale)、普通ならどちらのCEOになりたいと思うだろうか」とコメントした。

 またOhr氏によると、Freescaleはかつて、アナログ市場への参入に抵抗を示していたという。それにもかかわらず今回も、アナログ業界において強力なバックグラウンドを持つ人物をCEOに選出したことになる。前任のBeyer氏も、FreescaleのCEOに就任する以前に、アナログICの中堅メーカーであるIntersilでCEOを務めた経歴を持っている。

 Lowe氏は、1984年にTIに入社。同社の成長分野だった車載用電子機器事業を率いて、10年以上にわたり欧州事業を統括した。1994年に米国に戻り、TIのマイクロコントローラ部門の責任者を務める。さらに、グローバルASIC部門の責任者を務めた後、2001年以降はアナログ事業部門において複数の幹部職に就任した。

【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】

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