STマイクロ、スマートメーターの普及に向けて電力線通信用SoCを展示:TECHNO-FRONTIER 2012
STマイクロエレクトロニクスは、スマートメーターと電力会社の間で通信する際に利用される電力線通信向けSoCなど、“省エネ”をテーマに製品を紹介した。
STマイクロエレクトロニクスは「TECHNO-FRONTIER 2012(テクノフロンティア2012)」(2012年7月11日〜13日、東京ビッグサイト)で、HEMS(Home Energy Management System)やLED照明、PLC(電力線通信)向けSoC(System on Chip)など、“省エネ”をテーマに展示を行った。
図1は、PLC用SoC「STarGRID」の1製品「ST7580」である。PLCは、欧州では主にスマートメーターと電力会社間の通信に採用されている。STarGRIDは、A-Dコンバータや可変アンプなどのアナログフロントエンド、信号の変調/復調を行うPHY(物理層)プロセッサ、通信プロトコル処理を行うプロトコルコントローラの3つの部分で構成される。STマイクロの担当者は、「日本の電力会社は、(スマートメーターとの通信に)PLCを試験的に利用している段階だ。今後はスマートメーターの普及に伴って、STarGRIDのようなPLC向けSoCのニーズは高まってくると思われる」と説明した。
図2は、ゲートウェイとスマートプラグを使用した、HEMSのデモンストレーションである。スマートプラグには、IEEE 802.15.4に対応した32ビットマイコン「STM32W」と、電力計測用IC「STPM10」が搭載されている。ゲートウェイには、STM32Wやキャパシタなどを集積したモジュールが搭載されている。STPM10で測定した電力のデータは、スマートプラグ内のSTM32Wに送られ、そこからZigBeeによってゲートウェイに搭載したSTM32Wに伝送される仕組みだ。
LED照明向けには、LEDドライバIC「HVLED815PF」と、保護機能も搭載したバイパスIC「LBP01」を使ったデモも展示した。LEDにLBP01を接続することで、LEDを直列につないだ場合、どれか1個にショートなどの不具合が起こっても、それをう回(バイパス)することが可能になる。通常は、1個に不具合が起きると、そのLEDに直列接続されたLEDは全て点灯しなくなってしまう。
関連キーワード
LED | 電力 | 通信 | PLC | スマートメーター | エネルギーマネジメントシステム | HEMS | STMicroelectronics | LED照明 | マイコン | IEEE 802.15.4 | ZigBee
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 2012〜13年は目が離せない!! 新たな社会インフラ導入へ無線技術の準備整う
スマートグリッドやスマートハウスといった、新たな社会インフラを対象にした無線通信技術の準備が整い、2012〜2013年に掛けて、いよいよ機器開発の段階に移行しようとしている。キーワードとなるのは、「920MHz帯」、「IEEE 802.15.4g」、「Wi-SUN Alliance」、「ZigBee Smart Energy Profile(SEP) 2.0」、「ECHONET Lite」などだ。 - 「スマートハウス向け機器開発をいち早く」、HEMS用ゲートウェイが発売へ
サーコム・ジャパンは、2012年7月25日に本格的に開放される920MHz帯に対応したHEMS用ゲートウェイの受注を7月25日に開始する。2012年4月に規格適合性認証の受付がスタートしたばかりのECHONET Liteプロファイルにも対応した。 - 発展期を迎えるスマート家電市場、出荷台数は今後5年で2400万台に
スマート家電を発表する家電メーカーが増えている今、同市場は大きく発展しようとしている。ただし、価格が下がり、消費者が購入を積極的に検討するようになるまでには、あと数年かかるという。