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「退任よりも再建計画の実行が自分の責任」、いまルネサス社長が掲げる4つのプラン(後編)ビジネスニュース インタビュー(2/2 ページ)

東日本大震災やタイの大洪水など、想定外の自然災害に見舞われる中、事業再建を進めてきたルネサス。代表取締役社長の赤尾泰氏は、“半導体サプライヤとしての責任の重さ”を痛感したという。

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半導体サプライヤとしての責任

 人間の力ではどうしようもない自然災害に見舞われる中、赤尾氏が直面する最も厳しい現実は、同氏の進退をめぐる議論だろう。

 「自分は社長として何点か」――。こう尋ねると、赤尾氏は淡々と「ルネサスは過去7年間、利益を出せていない。答えは明白だろう」と述べた。

 ルネサスはもっと前から、NXP SemiconductorsやFreescale Semiconductorのように、ファブライトやファブレスへの移行を検討すべきではなかったか、との質問に、赤尾氏は「自分が社長に就任する以前の経営判断については何もコメントできない」と答えている。ただし、「日本独特の企業文化や体制が、ルネサスの再建を遅らせているのではないか」と尋ねると、「それは違う」と否定した。「確かに、社会環境(文化)や社会情勢の違いは、個々人が失業という事態をどう受け止めるかに影響するだろう。だが、“日本独特の”という言葉を、ルネサス再建の遅れの言い訳に使うべきではない」(赤尾氏)。

 元エンジニアである赤尾氏は、社長に就任して初めて、「半導体サプライヤの重要性と責任の重さ」を実感したという。特に、東日本大震災でそれを痛感した。「自動車メーカーだけでなく、エレベーターのメーカーからマンションの建設会社まで、さまざまな業界のメーカーが、マイコンの供給減を懸念してパニック状態に陥った。財務状態を改善することが重要なのは認識している。だがそれ以前に、世界中のあらゆる業界のメーカーが利益を出すために半導体サプライヤが負っている責任の重大さを、あらためて実感した」(赤尾氏)。

【翻訳:田中留美、EE Times Japan、編集:EE Times Japan】

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