ポストPC時代の到来、“Wintel”の勢いにかげり:ビジネスニュース(1/2 ページ)
スマートフォンとタブレット端末が台頭する新たなコンピュータ市場では、IntelとMicrosoftが圧倒的な優位性を誇る時代は終わりを告げているようだ。
コンピュータ市場では、“Wintel(Windows+Intel)”と称されるIntelとMicrosoftの強力な提携関係が、長きにわたり圧倒的な優位を誇ってきた。だが、新たなコンピューティング時代の到来とともに、新しいプラットフォームが勢力を伸ばしており、Wintelの優位性にかげりが見え始めている。
米国の市場調査会社であるIHS iSuppliは、「新たなコンピュータ市場では、Wintelのシェアは減少する」と予想する。同社は、「新たなコンピュータ市場とは、PCだけでなく、成長の著しいスマートフォンやタブレット端末も含めた3つの製品で構成される市場である」と定義している。
IHS iSuppliは、「Microsoftは、これら3つの製品(PC、スマートフォン、タブレット端末)向けのOS市場において、2011年は44%のシェアを獲得している。だが2016年には、その割合は33%に減少すると予想される。Intelも、同市場におけるシェアを2011年の41%から、2016年には29%に下げるとみられる」と述べている。
IHS iSuppliは、「スマートフォンとタブレット端末を含めた新たなコンピュータ市場の規模は、これら両機器の成長にけん引され、2011年から2016年にかけて倍増する」と予想している。
一方、IHS iSuppliでコンピュータプラットフォーム部門のシニア主席アナリストを務めるCraig Stice氏は、「Microsoftの『Windows』とIntelのプロセッサ技術の密接な連携によって、両社は長年にわたりPC市場を勝ち進んできた。だがここに来て、Wintelに向かい風が吹き始めている。両社は、過去数年間にわたってPC分野のシェアをほぼ独占してきたが、近年はスマートフォンとタブレット端末が、PCをはるかにしのぐ勢いで伸びている」と指摘している。
Stice氏は、「Wintelは、フォームファクタやユーザーインタフェース、価格などについて、他の企業が定めた基準に合わせることに慣れていない。だが、スマートフォンやタブレット端末が台頭するコンピュータ市場では、その考え方を改める必要がある。場合によっては、MicrosoftとIntelの両方の利益には結び付かない戦略を受け入れなければならないこともあるかもしれない」と述べた。
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