“世界最小”の電子部品を各社展示、肉眼で見えにくいほど小さい0201品も:CEATEC 2012(2/2 ページ)
スマートフォンやタブレット端末に代表されるモバイル機器は多機能化や無線周波数帯のマルチバンド化が継続しており、筐体の限られた容積の中にそれらを詰め込むため、電子部品には引き続き小型化が強く求められている。それに応えるべく、寸法が0.2×0.1mm程度と極めて小さい抵抗やインダクタ、コンデンサがお目見えした。
薄膜技術でインダクタ・コンデンサ・抵抗を世界最小サイズにまとめる
TDKは、「世界最小サイズに、インダクタとコンデンサ、抵抗を一体で形成できる」(同社)という薄膜技術で製造した高周波部品群を展示した。その中で参考出品として初披露したのが、方向性結合器の内部にアッテネータとして機能する抵抗ネットワークを統合した「TFSCシリーズ」である。サイズは面積が1.0×0.5mmで厚みが0.3mm。「方向性結合器に6個の抵抗を別に組み合わせる場合に比べて、基板専有面積を1/10に削減できる」(同社の説明員)という。
太陽誘電は、1005サイズ(1.0×0.5mm)の可変容量コンデンサの試作品を展示した。MIM(metal-insulator-metal)構造のコンデンサで、印加する直流バイアス電圧の大きさに応じて静電容量が変化する。マルチバンドの無線信号を扱うスマートフォンなどの携帯型端末において、バンドごとにアンテナのインピーダンス整合を調整する用途を想定したものだ。この試作品の静電容量は100pF程度で、15Vの電圧をかけると60%減少し40pF程度になるという。
世界最小をうたう部品ではないが、「これまでマルチバンドのインピーダンス整合回路では、静電容量の異なる複数のコンデンサを搭載してバンドごとに切り替えるのが1つの方法だった。それら複数のコンデンサを1個の可変容量素子で置き換えられる可能性がある」(同社の説明員)という。
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