TSMC、2012年Q3の売上高が過去最高に:ビジネスニュース 業界動向
TSMCは、2012年第3四半期において、売上高、純利益ともに過去最高を記録した。モバイル機器向けチップの需要が強かったことが主な要因だとみている。ただし、第4四半期については、サプライチェーンが在庫を一掃するので、売上高は減少するとの見解を示した。
半導体ファウンドリ最大手のTSMCは2012年10月25日、「2012年第3四半期における売上高および純利益が過去最高を記録した」と発表した。他の半導体メーカーの多くは業績が伸び悩んでいることから、TSMCの発表はアナリストたちを大いに驚かせた。
しかしTSMCも、2012年第4四半期の売上高については減少するとの見方を示している。半導体チップのサプライチェーンが、過剰在庫を一掃するとみられるためだ。
TSMCのチェアマン兼CEO(最高経営責任者)であるMorris Chang氏は、「2012年第3四半期に予想を上回る業績を実現できたのは、モバイル機器向け製品の需要が堅調だったためだ。さらに2012年第4四半期も、予想以上の売上高が期待できる」と述べている。
Chang氏は、「モバイル機器向けチップの需要は、非常に力強い。われわれが3カ月前に予測していたレベルを大きく上回っている。TSMCは今や、同市場における技術リーダーとしての地位を確立している。今後も数年間にわたり、モバイル機器向け製品の後押しを受けて、堅調な成長を維持できるとみている」と述べた。
さらに同氏は、「当社のリーダーシップは、パートナー企業との協業関係によって今後も継続できると考えている」と付け加えた。
2012年第3四半期におけるTSMCの売上高は、1413億8000万ニュー台湾ドル(約48億4000万米ドル)で、前期比10%増、前年同期比33%増となっている。
また、2012年第3四半期における純利益は、493億ニュー台湾ドル(約16億7000万米ドル)で、前期比18%増、前年同期比62%増だという。
Yahoo! Financeによると、大半のアナリストが、2012年第3四半期におけるTSMCの売上高予測について、約47億4000万米ドルとする見方で一致していたという。
TSMCは2012年第4四半期の売上高について、第3四半期からは約8%減となる44億1000万〜44億8000万米ドルの間になるとみている。減少に転じるのは、半導体チップのサプライチェーンが在庫の削減に着手するためだ。それでも、この売上高予測についても、多くのアナリストたちの予測を上回っている。
Chang氏は、「2013年第1四半期にはまた売上高が減少するとみられるが、同年第2四半期には回復するだろう。現在の在庫日数(DOI)は、季節的な平均値を13日上回っている。2012年末までには、このDOIを季節的な平均値を7日上回る程度に調整できるとみている」と述べている。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.