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アルテラが車載分野への本格展開を宣言、年率20%以上の売上高成長を見込む車載半導体(1/2 ページ)

FPGAベンダー大手のアルテラが、日本市場での車載展開を本格化させる。日本アルテラ社長の日隈寛和氏は、「車載分野専任の営業、技術サポート、マーケティングなどの人員がそろい、販売代理店としっかり連携できる体制がついに整った。これからは車載分野で積極的に展開を進めていく」と宣言した。

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日本アルテラ社長の日隈寛和氏

 FPGAベンダー大手のAltera(以下、アルテラ)は2012年11月6日、東京都内で記者会見を開き、日本市場での車載分野向けの展開を本格化させると発表した。

 日本法人・日本アルテラ社長の日隈寛和氏は、「数年前から準備を進めてきたが、車載分野専任の営業、技術サポート、マーケティングなどの人員がそろい、販売代理店ともしっかり連携できる体制がついに整った。これからは車載分野で積極的に展開を進めていく」と宣言した。

日本アルテラの日隈寛和氏(左)と米国アルテラのJeff Waters氏

 会見に合わせて来日した、米国本社で自動車・軍事・産業機器・コンピューティング部門のシニア・バイスプレジデント兼ゼネラル・マネージャを務めるJeff Waters氏は、「当社の車載分野の売上高は、2017年まで年率20〜25%という高い伸び率で成長すると想定している。この成長を実現する上で、世界の自動車生産台数の29%以上(2010年度)を占める日本の自動車メーカーの要求に応える必要がある」と説明する。

 Waters氏は、車載半導体市場が拡大基調であることを、車両1台当たりのECU(電子制御ユニット)の搭載数やコストのトレンドを使って分析した。「一般的な自動車に搭載されるECUの数は、30年前の1〜2個から、2002年には25個、2012年には50個以上まで増えている。現行の高級車であれば100個以上とも言われている。それとともにECU1個当たりのコストは下がっているが、搭載数の急激な増加により、2012年時点での自動車1台当たりのECUコストは、2002年と比べて43%伸びている」(同氏)という。

左の図は、車両1台当たりに搭載されるECUの個数と小型乗用車生産台数の伸びの比較。右の図は、車両1台当たりのECUコストの推移である。(クリックで拡大) 出典:日本アルテラ

車載情報機器と運転支援システムで需要が拡大

 アルテラが、PLDやFPGAといったプログラマブルデバイスの需要が拡大すると想定する車載システムは3つある。1つ目は、カーナビゲーションシステムやディスプレイメーターなどの車載情報機器である。Waters氏は、「周辺機器との接続を担うインタフェースICとしてPLDやFPGAの利用が拡大するだろう。プログラマブルな特徴を生かし、アップグレードやフィーチャの追加、新しい通信プロトコルの追加などに柔軟に対応できる」と説明する。

左の図は、車載情報機器(インフォテインメント)のトレンドとFPGAの利用事例。右の図は、車載カメラを用いた運転支援システムのトレンドと「SoC FPGA」の利用事例である。(クリックで拡大) 出典:日本アルテラ

 2つ目は、車載カメラを使った運転支援システムだ。北米・欧州市場ではバックモニターの搭載を義務化する法制度の整備が進んでおり、車載カメラ市場は2018年度に現在の4倍となる6000万台まで伸びるという予測もある。日産自動車やGoogleが開発している自律運転走行技術にも車載カメラは必須である。「2012年12月から先行ユーザー向けのサンプル出荷を始める、ARMのアプリケーションプロセッサコア『Cortex-A9』を搭載する『SoC FPGA』を使えば、車載カメラとミリ波レーダーのセンサーフュージョンを容易に実現できる」(同氏)という。

 会見では、「Cyclone IV」の標準開発ボードと、単眼の車載カメラ(Aptina Imaging製)、ミリ波レーダー(Delphi製)の組み合わせで実現したセンサーフュージョンのデモンストレーションを披露した。日本アルテラの説明員は、「ASICやASSPを使うと年単位の開発期間が必要になるが、Cyclone IVを使ったこのデモは数カ月で開発が完了した」としている。なお同社は。このデモを「組込み総合技術展 Embedded Technology 2012(ET2012)」(2012年11月14〜16日、パシフィコ横浜)で披露する予定だ。

センサーフュージョンのデモ
センサーフュージョンのデモ。写真の下側にあるミリ波レーダーと車載カメラから得たセンサー情報を「Cyclone IV」で統合した結果を、液晶ディスプレイに表示している。(クリックで拡大)

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