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新型iPad用プロセッサ「A6X」の詳細が判明、4コアGPUで性能を増強製品解剖(2/2 ページ)

Appleが11月初旬に発売した第4世代のiPadは、「A6X」プロセッサを採用している。そのパッケージを開封してダイを分析したところ、iPhone 5が搭載する「A6」に比べてGPUコアの種類と数が異なることが判明した。同等の動作周波数で2倍の処理性能が得られるとみられる。そのダイ写真も公開しよう。

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 A6XのGPUコアは、A6のコアと比較すると、寸法や形状が大きく異なることが分かっている。ある情報筋によれば、A6Xは、A6で使われていたSGX543に代えて、「PowerVR SGX554」を搭載しているという。SGX543とSGX554を比較すると、SGX554はALUブロックの「USSE2」をSGX543よりも約2倍多く搭載している。そのため、SGX554の処理性能はSGX543の処理性能の2倍に達する。つまり、A6Xは、動作周波数がA6と同等でありながら、2倍の処理性能を発揮できるということである。このことが、両者を比較した場合の最も大きな相違点となる。

 またA6Xは、4つのGPUコアに隣接する位置に、ある回路ブロックを配置している。この回路ブロックは、GPUの最も大きなキャッシュを制御するとともに、SGX554のコアの効率的な動作を実現する上で必要な処理を担う。


GPUコアの隣に、回路ブロックが確認できる(赤で示したエリア)。 出典:UBM TechInsights

 A6Xは、そのダイ上にある特徴的な刻印から、Samsung Electronicsが製造したものであることが分かる。Appleは、Samsungとの間でタブレット端末/スマートフォンの特許に関する係争を行っている。しかし、Appleは、Samsungを再びプロセッサの製造を担うパートナとして選択する決断を下したようだ。


A6Xの刻印 出典:UBM TechInsights (クリックで画像を拡大)

【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】

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