半導体製造装置の市場に回復の兆し? 2012年12月は受注額/出荷額ともに増加:ビジネスニュース 業界動向
SEMIによると、2012年12月には半導体製造装置の受注額/出荷額がともに増加したという。同市場において受注額と出荷額がともに増加するのは、同年春以来のことになる。ただし、業界の関係者は、今後数カ月の動きについて慎重な見方を示している。
半導体製造装置の市場は、何カ月にもわたって、低迷を続けていた。しかし、2012年12月になって、受注額/出荷額ともにようやく上向き始めたようだ。同市場において受注額と出荷額がともに増加するのは、2012年春以来のことになる。ただし、業界の関係者は、今後数カ月の動きについて慎重な見方を示している。
半導体関連の業界団体であるSEMI(Semiconductor Equipment and Materials International)が発表した2012年12月の「Book-to-Billリポート」によると、北米に拠点を置く半導体製造装置メーカーの世界受注額(3カ月平均値)は、同月に9億2410万米ドルに達したという。また、同月のBBレシオ(出荷受注比率)は0.92だった。BBレシオが0.92というのは、100米ドルの出荷額に対して、92米ドル相当の受注があったという意味である。2012年に最もBBレシオが高かったのは同年3月の1.12であった。
SEMIによれば、2012年12月における半導体製造装置の世界出荷額は、3カ月平均値で10億1000万米ドルだった。2012年11月の9億1010万米ドルと比較すれば10.6%増だが、2011年12月の13億米ドルからは22.6%減となる。2012年12月の受注額は、2012年11月の7億1860万米ドルと比べると28.6%増だが、2011年12月の11億米ドルから16.2%減少している。
SEMIのCEO(最高経営責任者)であるDenny McGuirk氏は、「2013年の市場は、さらなる深みへと進む可能性がある」とみて、注意を促している。
同氏は、「2012年12月は、受注額と出荷額の両方が増加した。しかし、1年前と比較すると、依然として低い水準にある。半導体製造装置の市場には、2013年にも依然として不確実さが存在する。2013年初頭に投資をけん引する役割を担うのは、ファウンドリサービスや最先端のパッケージング技術などの分野になるだろう」と述べている。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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