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国内半導体ベンチャーの雄が車載分野へ本格参入、「V-by-One」などを展開:車載半導体
半導体ベンチャーのザインエレクトロニクスが車載分野に本格参入する。2013年末までの中期計画「TACK2Win.」に基づき、これまで収益の5%を占める程度に過ぎなかった車載分野の展開を拡大させたい考え。
ザインエレクトロニクスは2013年4月15日、車載分野に本格参入すると発表した。同社は、日本を代表する半導体ベンチャーで、デジタルテレビなどの民生用機器向けの映像伝送用高速インタフェース「V-by-One」などで知られる。2013年末までの中期計画「TACK2Win.」に基づき、これまで収益の5%を占める程度に過ぎなかった車載分野の展開を拡大させたい考え。
車載分野で展開する製品群は4つある。1つ目は、同社を代表するV-by-Oneを搭載した製品である。車載情報機器で扱われるHD映像を伝送する用途での利用を想定している。2つ目は、LVDS(低電圧差動信号伝送)関連製品である。現在の車載分野の売上高は、V-by-One製品とLVDS製品から得ているという。3つ目は、高解像度対応イメージシグナルプロセッサである。暗部補正機能に優れており、車載カメラを使ったシステムの夜間利用を可能にするとしている。4つ目になるのが、薄型ディスプレイのLEDバックライトに用いるドライバICである。
同社は、このほどISO 9001の認証を取得するなど、広く車載分野の事業展開できるような事業体制を整えつつある。今後は、ISO 14001、ISO/TS 16949といった品質マネジメントシステムに準拠可能な体制を構築しながら、車載半導体向け品質規格であるAEC-Q100の同社製品への適用を拡大させる方針だ。
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