サムスン電子が「業界初」の3次元NANDを量産:メモリ/ストレージ技術
Samsung Electronics(サムスン電子)は、メモリセルを垂直に積層した3次元セル構造のNAND型フラッシュメモリの量産を発表した。記憶容量は128Gビットで、セルの積層数を増やすなどすれば、将来的には1テラビット容量も可能だという。
Samsung Electronics(サムスン電子)は2013年8月6日、メモリセルを垂直に積層した3次元(3D)セル構造のNAND型フラッシュメモリ「V-NAND」(Vertical NAND)の量産を開始したと発表した。1チップで、128Gビットの記憶容量を実現している。
「業界初の量産」(サムスン電子)とする今回の3次元NANDメモリは、3次元チャージトラップフラッシュ(CTF)技術と垂直に積み重ねたセル間を接続する垂直配線プロセス技術をベースに製品化。垂直配線プロセス技術は、セル層間を接続するビアを形成する特殊エッチング技術を確立し、最大24層のセル層を重ねることができるという。これらの技術により、量産を開始したV-NANDは20nmクラスの製造プロセスを利用した従来のプレーナ(平面)型NANDメモリに比べ2倍以上の記録密度を実現したという。さらに、10nm台プロセスを使用したプレーナ型NANDメモリに比べて、「(書き換え回数などの)信頼性が2〜10倍高まり、書き込み速度も2倍向上した」としている。
さらに積層すれば、1テラビットも可能!?
サムスン電子は、「新しい縦型セル構造により、プレーナ型では非常に困難になっている微細化を継続しなくても、セル層を増やすことで、より高密度のNANDメモリ製品を実現できる」とし、将来的には1T(テラ)ビットのメモリも実現できるという。
3Dセル構造のNANDメモリについては、他のNANDメモリメーカーも開発を急いでおり、東芝も2013年内には「BiCS」と呼ぶ3Dセル構造のNANDメモリの出荷を開始するとみられている。
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