IEEE802.11ac/aiを車載情報機器に導入、ルネサスと村田製作所など3社が共同開発:車載情報機器
ルネサス エレクトロニクス、村田製作所、ユビキタスの3社は、車載情報機器にIEEE802.11acや同802.11aiなどの次世代Wi-Fi技術を導入するための共同開発を進めることで合意した。
ルネサス エレクトロニクス、村田製作所、ユビキタスの3社は2013年9月25日、車載情報機器にIEEE802.11acなどの次世代Wi-Fi技術を導入するための共同開発を進めることで合意したと発表した。
共同開発のベースとなるのは、車載情報機器向けプロセッサで世界トップシェアを誇るルネサスの「R-Carシリーズ」、Appleの「iPhone」をはじめスマートフォンやタブレット端末で広く採用されている村田製作所のWi-Fiモジュール、組み込みLinuxやAndroid向けにユビキタスが提供している高速起動ソリューションと無線通信ソフトウェア技術である。これらを組み合わせて、通信速度が最大3.6ギガビット/秒のIEEE802.11acや、無線通信の初期接続/認証を高速化するIEEE802.11aiなどを車載情報機器で利用しやすくするためのプラットフォームを開発する。
これらの技術を活用すれば、スマートフォンと車載情報機器の間を、IEEE802.11acとIEEE802.11aiを使って連携させることが可能になる。現在は、スマートフォンの映像コンテンツやカーナビゲーション機能などを車載情報機器で利用する場合には、USB 2.0やMini HDMI、MHLなどのインタフェースを使った有線接続が基本となっている。これは、携帯電話機と車載情報機器を連携させるのに広く利用されてきたBluetoothの通信速度が、大容量データをやりとりするには不足しているためだ。
また、車両前部に組み込んである車載情報機器で再生した高解像度の映像コンテンツを、IEEE802.11acとMiracastを使って無線伝送し、車両後部のディスプレイでも楽しめるようになる。無線伝送なので、車両内部で機器間を通信接続するためのワイヤーハーネスも不要だ。
車載情報機器への採用が検討されている「Tizen IVI」のようなLinuxプラットフォームは、高機能ではあるものの、起動までに一定の時間がかかってしまう。その一方で、バックモニターなどの車載カメラを使った機能は、エンジン始動の直後から利用できる必要がある。高速起動ソリューションを使えば、バックモニターだけを高速起動しつつ、車載情報機器そのものの起動をバックグラウンドで行うことが可能になる。
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