ITSに欠かせない“C2X”用通信ICで先行するNXPの戦略:ビジネスニュース 企業動向(2/2 ページ)
NXP セミコンダクターズジャパンは、「コネクテッドカー」と呼ばれるインターネット接続型自動車向け半導体事業を、成長戦略の柱と位置付ける。今回、戦略製品の1つとして、ITS(高度道路交通システム)実現に不可欠な「車車間通信」(C2C)や「車とインフラ間通信」(C2I)に向けたソフトウェア無線(SDR:Software Defined Radio)プロセッサ「SAF5100」のサンプル出荷を始めた。
C2Xを実現するソフトウェア無線プロセッサ
Turley氏は、「コネクテッドカー」を実現するために重要となる技術の1つとして「高度なセキュリティ」を挙げた。同社はセキュリティ対策として、CAN/LINやイーサネットなどで構成される車載ネットワークにおいて、セキュアエレメント(SE)を追加した。Turley氏によれば、「セキュアエレメントのセキュリティレベルは、銀行やパスポートなどに用いられているチップと同等レベルである。その上、自動車用途の要件を満たしている」という。無線通信による外部からのハッキングなどに対してもセキュリティを担保している。
記者説明会では、C2CやC2IなどCar-to-X(C2X)の実現に向けたソフトウェア無線プロセッサ「SAF5100」のサンプル出荷を始めたことを発表した。SAF5100は、ハードウェアの回路を変更することなく、実装するソフトウェアを変更すれば無線通信方式を切り替えることができる。デュアルチャネル/デュアルアンテナ処理などの構成も可能である。Cohda Wirelessが開発したIEEE802.11p対応ファームウェアを搭載したコネクテッドカー向けリファレンスデザイン「MK4」にはSAF5100が使用されている。SAF5100は外形寸法が12×12mmのLFBGAパッケージで供給される。
なお、SAF5100を応用したC2X通信の事例として「緊急車両警告」や、「曲がり角での状況確認」、「ハザード警告」などを紹介した。同社ではこうしたサービスを実現することで、「安全性の向上と交通渋滞の回避が可能になる」とみている。
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