3Dチップ開発、メーカーの動きは?:ビジネスニュース(1/2 ページ)
3次元積層技術を用いたチップ(3Dチップ)の開発動向に注目が集まっている。こう着状態にも見える3Dチップの開発だが、メーカーは着実に前進しているようだ。
半導体業界の次なる目玉である3Dチップ積層技術はこう着状態にある。いずれかのメーカーが突破口を開けば、より高性能で低消費電力な次世代システムの実現に向けて、さらに大きな一歩を踏み出せるだろう。
GLOBALFOUNDRIESは、2.5Dチップについて、ライバルのTSMCよりも価格の点で優位にある。GLOBALFOUNDRIESの3Dチップの量産技術がこなれてくれば、他のファウンドリに大きな差をつけられるかもしれない。スマートフォンやタブレット端末でAppleに対する優位性を拡大しようとしているSamsung Electronicsにも可能性はある。
半導体業界は、2.5Dチップの量産については、いまだ堂々巡りの状況にある。
Micron Technologyは、シリコン貫通ビア(TSV)ベースの3D DRAM「Hybrid Memory Cube(HMC)」で一石を投じたいようだが、顧客がどう反応するのかは未知数だ。SK Hynixも、HMCに似た広帯域のメモリを「ISSCC(IEEE International Solid-State Circuits Conference) 2014」で披露する予定である(関連記事:サムスンとSK Hynix、ISSCCで次世代メモリを披露)。MicronとSK Hynixの競争は必至だろう。
顧客の視点で見れば、3Dチップのメモリを量産できる体制が完全に整っているメーカーは、まだいない。おそらく2014年がひとつの節目となるのではないだろうか。
問題は、価格である。
あるパネルディスカッションで、NVIDIAのAbe Yee氏は、GLOBALFOUNDRIES、Micron、SK Hynix、TSMCといった企業に対して次のように提言した。「当社はチップの積層技術に20億米ドルの資金を投じてきた。投資はまだ回収できていないが、引き続きこの分野に投資していく。サプライヤも同様に考えてほしい」(Yee氏)。さらに同氏は、「ムーアの法則があと20年続くとは思えない。やはり3Dチップの開発にどのように投資していくかを検討すべきた」と付け加えた。
単に投資を進言するのは簡単だ。ここでもう1つ、重要な問題が浮上してくる。「Samsungはどうするのか」だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.