活気づくNANDメモリ市場、各社の1Xnm世代製品を振り返る:メモリ/ストレージ技術(3/3 ページ)
ストレージや組み込みシステムの分野において、NAND型フラッシュメモリの重要性が高まっている。東芝、サムスン電子、SK Hynix、Micronといったベンダーの、最新プロセスを用いた製品を振り返ってみたい。
MicronはSSDの提供も開始予定
Micron Technologyは2012年7月に、16nmプロセスを用いたNAND型フラッシュメモリのサンプル出荷を開始している。プレーナ(平面)型の技術を採用するが、詳細情報については明かしていない。2013年第4四半期には128GビットのMLC(Multi Level Cell)チップの量産を開始し、2014年にはSSDの供給を開始するとみられる。しかし同社は、この件に関する正式なコメントを発表していない。今は、「Hybrid Memory Cube(HMC)」と呼ばれるメモリスタックの開発に追われているのだろう。
SK Hynixは16nmプロセスのMLC NANDフラッシュの量産を開始
SK Hynixは2013年11月に、16nmプロセスのMLC NAND型フラッシュメモリの量産開始を発表した。容量は64Gビット。絶縁には、絶縁膜ではなく独自のエアギャップ技術を適用しているという。これにより、ゲート間の干渉を抑えられるとした。同社は、米国ワシントンD.C.で2013年12月5日〜7日に開催予定の半導体素子に関する国際学会「2013 IEEE International Electron Devices Meeting(IEDM 2013)」において、15nmプロセスを適用したチップやPCM(Phase-Change Memory:相変化メモリ)の開発に関する論文を発表する予定だという。
2014年には、どのような製品が登場するのだろうか。さらなる微細化は実現できるのだろうか。NAND型フラッシュメモリ市場は現在、実に活気に満ちている。ある調査会社のリポートによれば、NAND型フラッシュメモリ市場は2012年〜2016年にかけて、年平均成長率8.7%で成長する見込みだという。
さらなる微細化を進め、コストの削減を実現することは極めて重要だが、微細化が物理的な限界に近付いていることもまた事実である。サプライヤ各社は、信頼性の高い次世代技術の開発にあらゆる力を終結させている。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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