フリースケール・ジャパン、2014年も「SUPER GT」で研究開発実施へ:ビジネスニュース 企業動向
フリースケール・セミコンダクタ・ジャパンは、2013年のカーレース「SUPER GT(スーパーGT)」のGTレースカーを活用した次世代車載半導体開発の成果と、2014年のスーパーGTで実施する予定の新たな技術開発テーマを発表した。
フリースケール・セミコンダクタ・ジャパンは2013年12月17日、2013年のカーレース「SUPER GT(スーパーGT)」のGTレースカーを活用した次世代車載半導体開発の成果と、2014年のスーパーGTで実施する予定の新たな技術開発テーマを発表した。
同社は2012年から、カーレースに参加し、レースカーにADAS(次世代運転車支援システム)などを搭載し、車載半導体の研究開発を実施している。2年目となる2013年は、量産車ベースのレースとしては国内最高峰となるスーパーGTのGT300クラスレースカー「IWASAKI OGT Racing GT-R」を活用した実装実験をスーパーGT第4戦(2013年7月27〜28日、スポーツランドSUGO)から実施していた。
スーパーGTでの研究開発について、フリースケール・セミコンダクタ・ジャパン社長のディビット・M・ユーゼ氏は、「狙いは3つあった。1つは、新技術開発。2つ目が事業開発。3つ目がブランディングだ。新技術開発は、(IWASAKI OGT Racing GT-Rを走らせるレーシングチーム)エー・ピー・アール(以下、apr)など多くのパートナーとの連携を通じて実行でき、最終戦までの目標だったサラウンドビューシステムの実装実験も実施できた。事業開発面でも、電装品メーカーや自動車メーカーとのリレーションも深められた。同時に、実装実験で得た多数のセンサーからリアルタイムにデータ収集、処理する技術は、IoT(モノのインターネット)などにも応用できるものであり、自動車分野以外の顧客とのリレーション構築にも役立った」と評価した。
2014年についても、aprと連携してGT300クラスに参加し、研究開発を行うことを明かした。2014年の研究開発テーマは「インテリジェント ガレージ」。レースカーが走行中に取得した車両情報や運転車情報を、LTE回線を使ってリアルタイムで送信しクラウド上に蓄積する他、大容量データは、ピットやガレージにレースカーが戻った際に自動的に取得し、クラウド上にアップロードするシステムに関して新たに実証実験を行うという。同社執行役員第三事業部長の村井西伊氏は「2014年はLTEを使ったリアルタイム転送に加えて、ガレージで行うニアフィールド自動データ同期を行い、データと用途に応じた使い分けを模索していきたい」とした。
また2014年の研究開発を行うレースカーについて、2013年に使用した日産「GT-R」とともに、トヨタ自動車のハイブリッドカー「プリウス」をベースにしたハイブリッドGTレースカーも活用する方向で検討を進めていることも明かした。
ユーゼ氏は、レースカーへのスポンサードおよび研究開発の実施によって「1年目の2012年も約数十億円のビジネス成果を得ることができ、2013年はそれよりも30%程度大きい規模のビジネスにつながった」とし、2014年以降も積極的にレーシングプログラムを展開していく姿勢を示した。
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