家電を制御する指輪、宙に書いた文字も認識:センシング技術
新興企業のLogbarが、指輪タイプのウェアブル機器を発表した。ジェスチャ認識機能を備えたもので、Bluetooth Low Energyを介して家電などを制御する他、宙に書いた文字も認識できるという。
米カリフォルニア州と東京に拠点を構える新興企業のLogbarが、指輪型ウェアラブル機器「Ring」を発表した。ファンタジー小説「指輪物語」の指輪と同じように、あらゆるモノを制御することが可能な強力なツールになり得るのだろうか。
Ringは、ジェスチャによってスマート家電やスマート機器を操作したり、テキストを送信したりといった、さまざまなタスクを実行できるウェアラブル機器だ。Logbarは現在、クラウドファンディングサービスKickstarterでキャンペーンを行っている最中で、2014年中にRingの量産出荷を開始する予定だとしている。
Ringをはめると、搭載されているセンサーで、Ringをはめた指の動きを検知してジェスチャを認識する。Ringには、さまざまな企業のジェスチャ認識技術のIP(Intellectual Property)が搭載されている。特に、認識機能の正確さと低消費電力の実現に最も力が注がれたという。
Ringは、
- 家電やアプリを操作するためのジェスチャ認識機能
- 空中にジェスチャで書かれた文字をテキストとして認識できる機能
- 1つのジェスチャで支払い情報を送信する機能
- データの受信を検知し、搭載されているバイブレーション(振動機能)やLEDで通知する機能
という4つの機能を提供する。
アプリごとにジェスチャマークが決まっていて、そのジェスチャを行うと、対応するアプリが動作する仕組みだ。スマートフォンやタブレット端末を使って、ジェスチャの編集やカスタマイズも可能だという。
Ringは、文字を高精度に認識するソフトウェア「Ring Font」を採用していて、宙に書いた文字などを認識することができる。簡単なジェスチャだけで、TwitterやFacebookなどのSNSを利用したり、メールを送信したり、テレビのチャンネルを変えたりできるという。
Ringは、Bluetooth、あるいはハブのペアリングを介して家電や機器を操作する。ハブは赤外線通信とWi-Fi通信に対応したルーターのような機器で、Bluetooth非対応の機器とRingを接続する役割を担う。
また、iOS 7の標準機能である「iBeacon」やGPSを使った支払い機能を提供する。サービスに加盟している小売店やレストランなどでの支払いだけでなく、ユーザー個人の間でも素早く支払いを完了することができる。指で数字を書いたり、ジェスチャでチェックマークを示したりするだけで、簡単に支払いできる機能をサポートするという。
現在、Ringの実証試験が行われている。iOS端末、Android端末、PCの他、「Google Glass」やスマートウオッチなどのウェアラブル機器、遠隔操作が可能な家電機器、Twitter/Facebook/EvernoteどいったWebサービスなどを対象に、試験が進んでいるという。
なお、Ringは日本からもオーダーが可能だ(関連リンク:Logbar)。先行価格は145米ドルとなっている。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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