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ソフト開発をより単純に、シリコンラボがマイコン開発環境の新版を発表プロセッサ/マイコン

シリコン・ラボラトリーズ(以下、シリコンラボ)は、同社製マイクロコントローラ(MCU)向けのソフトウェア開発に必要なツール群やライブラリ、関連資料などをパッケージにしたソフトウェアスイート「Simplicity Studio」の新バージョンを発表した。従来バージョンに比べて、Eclipseベースの統合開発環境(IDE)に対応したことと、32ビットMCUに加えて8ビットMCUをサポートした点などが新しい。

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 シリコン・ラボラトリーズ(以下、シリコンラボ)は2014年3月20日、同社製マイクロコントローラ(MCU)向けのソフトウェア開発に必要なツール群やライブラリ、関連資料などをパッケージにしたソフトウェアスイート「Simplicity Studio」の新バージョンを発表した。従来バージョンに比べて、Eclipseベースの統合開発環境(IDE)に対応したことと、32ビットMCUに加えて8ビットMCUをサポートした点などが新しい。現在は個別に対応しているワイヤレスシステム向けの開発ツール群も、2014年後半にはSimplicity Studioに統合していく予定である。

 シリコンラボは、ARM Cortex-Mプロセッサベースの32ビットMCU「EFM32 Gecko」と、8051ベースの8ビットMCUを供給している。現行のSimplicity Studioでは32ビットMCUのみの対応となっていたが、新バージョンでは8ビットMCUにも対応した。これにより、1種類の開発環境で両方のMCUに対応することが可能となり、8ビットMCUを新たに利用する場合でも、開発ツールを使いこなすために必要な知識習得の時間を節約することができる。しかも、スタータキットをIDEに接続すれば、自動的にターゲットMCUの種類を検知する機能を備えているため、ソフトウェア開発に必要となるドキュメント類やデモ用のサンプルプログラムなども容易に探し出すことが可能となる。

 IDEは、「Eclipse Debugger for C/C++」、「Keil」および「Gnu Compiler Collection(GCC)」ビルドツールの他、8ビットMCU向け「Keil PK51」ビルドツールなども同じ操作環境で利用することができるようになった。さらに、Simplicity Studioは、「Keil μVision」や「IAR Embedded Workbench IDE」を用いてソフトウェア開発を行うこともできる。新バージョンよりEclipseベースのIDEとなったため、サードパーティが開発したEclipse対応のさまざまな開発ツールを利用することもできる。


シリコンラボでMCU製品担当のシニアマーケティングディレクタを務めるDaniel Cooley氏

 シリコンラボでMCU製品担当のシニアマーケティングディレクタを務めるDaniel Cooley氏は、MCU向けソフトウェア開発において、「ソフトエウェア技術者が、もっとシンプルな方法で、製品のコンセプト設計段階からプロトタイプの製造、そして量産まで持っていけるような開発環境を提供していく」と話す。

 その上で、組み込みシステムの価値を高めることが可能なツールの提供を行っていく。例えば、エネルギーとバッテリ寿命の最適化を実現するために用意したツールである。システムレベルでの消費電流をモニタリングして、バッテリ寿命を推定したり、消費電流をリアルタイムで解析したり、問題の箇所を素早く特定したりすることができる。

 同社のEFM32 Geckoは、スリープ電流が最大1μA、アクティブ動作時電流も110μA/MHzと小さく、ウェイクアップ時間は2μ秒と速い。Simplicity Studioのツールを活用することで、「MCUの特長を最大に生かすためのソフトウェア開発が可能となる」(Cooley氏)という。なお、新バージョンのSimplicity Studioは、開発者に無償で提供されており。同社のウェブサイトからダウンロードして入手することができる。

左図はSimplicity Studioの表示画面の例で、シンプルな方法で設計者のアイデアを具現化していくためのツールと位置付けている。右図はEFM32 Geckoの特長を生かしてエネルギー効率を高められた例を示す (クリックで拡大) 出典:シリコン・ラボラトリーズ

 同社は32ビットおよび8ビットMCU以外にも、ワイヤレスMCUを提供している。今のところワイヤレス開発スイートは個別対応となっているが、「2014年後半にはワイヤレスシステム関連のツールもSimplicity Studioに取り込んでいく」(Cooley氏)予定である。

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